「今の市役所で限界を感じている」「結婚・Uターンで地元の市役所に移りたい」「民間は不安だけど、環境は変えたい」——

そんなとき現実的な選択肢になるのが「他自治体への転職」です。

実際に多くの市役所職員が転職先として他自治体を選んでいるのも事実です。

近年は市役所でも経験者採用(社会人採用)が広がり、即戦力としての受け入れが珍しくなくなったことも後押しになっていますね。

そこで今回は、市役所職員が他自治体に転職するうえで大切な「他自治体への転職の概要」、「自治体の採用状況」、「転職情報の集め方」、「退職金制度」、「メリット・デメリット」を解説します。

同業種で転職を考えるのは一般的

市役所から市役所へ転職を考えるのは、一般的な転職活動から考えても妥当です。

というのも、民間でも転職先を同業種で検討することは当然だからです。

リクルートエージェントの調査では、異業種への転職が増加している今でも、約半数が同業種への転職をしている実態がわかりました。

市役所職員も「行政公務員」という業種のなかで転職活動を行うのは普通のことと言えますね。

むしろ地方公務員は転職先に民間企業を選ぶ人が少ない印象があります。

個人的な体感としては、早期退職者の約8割が他自治体に転職しているイメージです。

民間転職を考えている方は別の記事で公務員向けおすすめ転職サービスをまとめていますので参考にしてください。

市役所から他自治体への転職は容易か

市役所からの採用通知をもつ、笑顔の男性

市役所職員の転職先として多いのが、他市の市役所や都道府県庁です。

他自治体への転職は簡単ではありませんが、今の職場でしっかり仕事をしている方にとっては決して難しいことではありません

ただし、地方公務員は任命権者が自治体ごとに分かれているため、他自治体で働くには新たに採用試験を受けて合格する必要があります

再受験が必要だが、経験者枠のチャンスがある

市役所で複数年の勤務実績がある場合、「経験者枠」「社会人枠」という、通常とは異なる採用枠で受験することが可能です。

近年は「経験者枠」や「社会人枠」を設定する自治体が増えており、多くの自治体で経験者や社会人を歓迎しています。

市役所に勤めている、または勤めていた経験がある方は積極的に経験者枠で受験したいですね。

これらの採用方法では、筆記よりも職務経歴と小論文、そして面接を重視する、いわゆる「中途採用」に近い選考を取り入れている自治体が多いです。

他自治体でも「公務員経験者」を歓迎する傾向がある

職員を採用する側に立って考えると、少しでも市役所の仕事を知っている人を採用したいと考えるのは当然のことです。

即戦力として、公務員経験者が優遇されるのもうなずけますよね。

もちろん確実に合格するわけではありませんが、民間経験者より有利な立場にいるとみていいでしょう。

特に昨今は公務員自体の人気に陰りが見え、自治体間で公務員の奪い合いが始まっているといっても過言ではない状況です。

私の知り合いにも、現在「市役所3か所目」という人がいます。

一昔前なら「訳アリ?」と敬遠されそうですが、今はそんなことないんですね。

公務員経験者向けの採用枠を用意する自治体も

今では、市役所などの地方公務員を経験した方を対象とした採用をしている自治体もあります。

公務員の経験が3年ないしは5年を条件とする自治体が多い印象です。

また、「アルムナイ」といって、出戻り採用をしている自治体もあります。

例えば、東京都はアルムナイ採用を通年募集しています。

自治体の採用状況:現在は積極的だが今後は不明

他自治体の筆記試験を受けている男性

多くの自治体で、現場の即戦力ニーズが高まっています。

その中でも、特に人口減少地域・小規模自治体においては、即戦力である公務員経験者は重宝されるでしょう。

もちろん政令市・中核市も即戦力人材を狙っている状況に違いはありません。

規模の大きい自治体は新卒・第二新卒者を多く採用する一方、離職率の高い若手の穴埋めをする形で経験者採用を活発に行っています。

自治体により年齢制限が異なる

気をつけたいのは年齢制限です。

経験者枠であっても比較的年齢上限を低く設定している自治体もあれば、年齢制限自体を設定していない自治体もあります。

このあたりからもその自治体が「どれだけ採用に困っているか」や、「採用に余裕があるのか」が透けて見えてきますね。

人口減少・DX推進で人員削減をする自治体も

一方で、人口減少やDXを推進することで、職員定数を削減する自治体が増えているのも事実です。

一般的に、職員定数は人口規模から設定します。

人口減少社会になり、各自治体の住民が減少する中では、職員定数が減少するのも仕方のないこと。

また、DXを推進することで業務を効率化し、少ない職員でも滞りなく業務を執行できる体制を整える自治体も多いです。

つまり、退職者が多い現在は採用に積極的な自治体が多いですが、これは一過性のものになるかもしれません。

他自治体への転職事例

市役所から他自治体に転職する方の具体的なデータはありませんが、圧倒的に多いのは「市役所→市役所」

その次に多いのは「市役所→都道府県庁」といったイメージです。

市役所→市役所

今までの経験が最も活きるのが「市役所→市役所」の転職。

市役所間の転職であれば扱う業務に大きな違いがないので、転職先でもスムーズに仕事になじめるでしょう。

とはいえ、その市役所独自の制度や事業もあるので、全く同じ要領で仕事をすることはできませんね。

他自治体に転職した人に話を聞くと、特に前職で経験した部署に配置される傾向はありませんでした。

市役所→都道府県庁

市役所から都道府県庁にキャリアアップする方も多い印象です。

市役所の仕事は都道府県とのやり取りも多いので、仕事について何も知らないわけではないことも人気の理由でしょう。

特に市役所から都道府県庁に出向した経験がある方は転職を決心しやすいかもしれません。

市役所の”現場仕事”とは異なる業務が増えますが、より幅広い地域を担えるのは魅力ですね。

他自治体への転職活動の進め方

ノートパソコンで求人を探す女性

求人の探し方

自治体の求人を探すなら、希望の自治体の公式ホームページを確認するのが一番です。

常に募集をしているわけではありませんので、複数の転職先候補をブックマークするなどして情報収集に努めましょう

また、公務㏌」というサイトも参考になります

全国の公務員専門の求人情報がまとまったサイトなので、一括で情報収集するのに適しています。

現職中なら職場バレ対策も重要

転職活動の基本は、職場に内密にしながら行います。

転職活動をしていることは職場の同僚などに話さないようにしておくことが無難です。

また、一次試験は土曜日に行われることが多いのであまり問題はありませんが、問題は2次試験以降。

平日の試験は有休を活用しながら乗り切りましょう。

退職金は勤務歴の通算制度がある

市役所を退職したあとすぐに他の地方自治体に就職した場合、前の自治体から退職金は支給されません。

過去の在職期間は採用先の退職手当制度で勤続として通算されることになります。

一方、次の自治体に所属するまでに空白期間が生じたり、制度上の通算要件に当てはまらない場合は、前の自治体から退職金が支払われ、転職先ではその前歴期間を勤続に算入しない扱いになります。

もっとも、受け取った退職金を返還して前歴を通算する仕組みを設けている団体もあります。

どちらの取り扱いになるか、返還通算の手続きや期限、税の扱いは、加入している自治体で異なるため、旧・新双方の人事担当者に早めに確認しておきましょう

通算制度を利用したほうが最終的にもらえる退職金は増える傾向にあります。

詳しくは退職金制度をまとめた別記事をご覧ください。

他自治体転職のメリット・デメリット

明暗の分かれる男性2人

他自治体への転職は、環境を変えられる以上のメリットもありますが、デメリットも当然あります。

リスクも理解しながら転職活動を進めてください。

メリット:安定を保ちながら環境を変えられる

市役所から他自治体に転職する最大のメリットは「同じような業務を引き続きできる」こと。

今までの経験が無駄にならないどころか、最大の武器にもなるのです。

今の職場に不満を抱えつつも仕事自体には満足している方にとって、他自治体への転職は最適でしょう。

デメリット:給与・福利厚生・年金制度の引き継ぎに注意

他自治体への転職には、それなりのデメリットがあります。

「転職してみたものの、思っていた環境と違う」ということも起こり得ます。

場合によっては前職以上に厳しい職場環境になることもあるでしょう。

また、給与を決める俸給表は自治体によって異なります

給与が下がることも当然ありますし、基本的には役職がない状態からのスタートになります。

Q&A

Q&Aを開いて確認する
他自治体の経験者採用は何歳まで受けられますか?

年齢要件は自治体ごとに異なります。

経験者枠は新卒より年齢制限が緩い傾向ですが、募集要項の確認が必須です。

今現在募集をしていない自治体であっても、過去の募集内容で傾向を確認しておきましょう。

在職中の受験はバレませんか?

職場で転職の話をしないようにするだけで、職場にバレる確率はグンと下がります。

転職希望の自治体にも守秘義務がありますので、相手先から現在の職場に連絡が入ることもありません。

ただし、職歴照会の同意を求められるケースはあり得ますが、その際は同意していいでしょう。

転職活動における面接では、現職の退職理由をどう伝えるべきですか?

まず大事なのは、今勤めている市役所の批判は絶対にしないこと

「新しい自治体でこんなことをしたいと考えるに至った。」などの未来志向の理由がいいでしょう。

他自治体に転職する際、退職金はどうなりますか?

空白期間をとらないで転職する場合は通算制度の対象となり、転職時点では退職金はもらえません。

一方で、転職するまでに無職期間を取った場合は退職金がもらえますが、転職先での退職金はその分が計算外になります。

ただし、多くの自治体には「退職金を返還して前歴を通算するための規定」があるので、通算制度を活用したい場合は退職前に職場に相談してみてください。

まとめ:市役所職員の他自治体転職はアリ!

今までの経験を活かせる転職先として、他自治体は理にかなっています。

人材が不足する地方自治体にとって、あなたの市役所勤務経験は魅力的に映ることは間違いありません。

結婚や地元へのUターンだけでなく、「今の環境を変えたい」という気持ちで転職活動をすることも全く問題ありません。

とはいえ、絶対に合格するとは言えないのが転職活動です。

まずは複数の「転職を希望する自治体」の職員募集に関する情報収集を行いましょう。

そのうえで、今の職場にバレないようこっそりと、合格するまで諦めずに転職活動を行いましょう。

行動を起こすかどうかで、今後の人生は大きく変わりますよ!

転職活動がうまくいくことを願っています!

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