「5年後も今の職場で働いていたいですか?」
こんなことを聞かれたら、あなたは「はい」と答えられますか?
実はこの質問、実際に複数の自治体で内部向けに行われた職員アンケートのひとつなんです。
公務員でも転職が当たり前になってきた今、これまで定年退職者の補充を中心に人員計画を考えてきた人事担当者にとっては、頭の痛いテーマです。
「なぜ職員が辞めていくのか」、「どうしたら辞めたくならない職場になるのか」。
これは、いま多くの地方自治体が抱える問題の一つになっています。
職員が辞めるのは「つらい」というより職場への「見切り」

今、年度途中の退職者が続出し、「どうしたら退職者が出ない職場にできるか」を真剣に考える自治体が増えています。
退職者は若手だけではなく、脂が乗り始める30代にも多く、さらに管理職を含む40代にも広がりつつあります。
たとえば30代以下の退職者数がここ10年で2倍弱にまで増えている現状を考えると、これは単に「仕事がつらい」という理由だけでは説明しきれないケースが増えているということです。
むしろ、「この職場が良くなる未来が見えない」という、見切りに近い感情が退職を後押ししていると感じてしまいます。
問題をはき違える上層部
実際、職場環境が改善されつつあるのは事実です。
ワークライフバランスを重視し、今まで以上に残業時間を管理する自治体も増えました。

その分、土日にこっそり出てくる職員もいますね。
ただし、ワークライフバランスが良くなっても退職者は減るどころか増えている現状から察するに、職場環境だけが退職理由とは考えにくいのです。
つまり、働き方改革やDXはもちろん大切ですが、それだけで退職者が減るとは限らない。
なぜなら、職員が見切りをつける理由は「労働時間」だけではなく、もっと根っこにある“組織への信頼”や“未来の見え方”に関わっているからなのです。
全庁的に明確なビジョンを共有できていない

仕事には目的や目標が必要です。
もちろん市役所の目的は「限りある予算の中で、市民の幸福を実現すること」ですが、これでは漠然としすぎています。
市役所では中期計画・長期計画が作成されており、その計画を達成する上で必要な施策を組んでいくのが王道ルートです。

しかし実態は、今ある仕事を淡々とこなす日々になりがちなんですよね。
その結果、職員側にはこういう感覚が残ります。
- この仕事の“到達点”が見えない
- 何を達成すれば良いのかわからない
- 結局、毎年同じことの繰り返しに感じる
課長以上の管理職が、課としての到達点・優先順位などを示し、チームとして進める部署ほど、職員は安心して踏ん張れます。
逆にそれが弱いと、漠然とした不安と焦燥感がつきまとい、「ここにいても未来が変わらない」と感じやすくなります。
小さいことが積もり続ける「職場への不信感」
職員は上層部の動きをよく見ています。
お気に入り人事を行っていそうな雰囲気や、首長に意見のできない弱腰の上司など、ガッカリすることに出くわすことも少なくありません。
また、パワハラ気質の上司や、自分が一番大事な自己保身が強い上司など、一緒に仕事をしたくない人も少なからずいます。
結果として、「いざ重大な出来事が起きたとき、この職場は自分を守ってくれるのだろうか」という疑問がよぎり、これが職場への不信感につながります。
さらに異動に関しても、「なぜ私は(あの人は)この部署に異動なのだろう」と納得できないこともあります。
結局のところ、一つ一つは小さな違和感でも、積み重なることで大きな不信感になり、職場への見切りにつながっていきます。
ゴールのないマラソンを強いられる現場

市役所は1年をサイクルに、ベースは同じ業務を行います。
そこに国・都道府県から仕事が下りてきたり、制度改正に伴う追加業務が発生したりします。
周回コースを走り続けながら、途中で障害物が増えていくようなもので、終わりやゴールが見えないのが精神的に苦しくなるときもあります。
現場は常に動き続けるため、どうしても”メリハリ”を感じにくいのです。
しかし、仕事はメリハリがあるだけで充実感が大きく変わります。
上層部が「何を捨て、何をやるか」「ここまでできれば十分」を示してくれるだけでも、職員の気持ちは変わる可能性があります。
”金銭”というご褒美すらないジレンマ
多くの職員は日々懸命に仕事をしています。
しかし、その結果が評価に反映されるかというと、体感としては微妙だと感じる人も多いはずです。
新しい事業を立ち上げたり、不要な事業を廃止したりといったチャレンジも、評価という視点では大きなアドバンテージにならないことがあります。
もちろん自治体にも評価制度はありますが、民間ほど「成果が給与・賞与にダイレクトに跳ね返る」構造ではありません。
成果が“お金”という形で返りにくいと、どうしても「失敗を避ける」方向に進みがちになります。
やはり”お金”という指標は絶大で、多少の苦労を相殺できるだけの”力”がありますが、制度上、市役所ではこの”力”を発揮しにくいのです。
「それがわかって入庁したのだろう」と言われればそのとおりなのですが、対価となる”ご褒美”がないことが職場への”見切り”につながることもあるのです。
今の状況に悩んでいるなら専門家に相談してみよう
多くの市役所職員が「今のままでいいのかな…」と悩んでいるのは事実です。
実際、退職者数は近年増えており、20代・30代の自治体職員(都道府県職員を除く)の退職者数は年間2万人を超えました。

もはや市役所職員の退職は珍しいものではなくなってきているのです。
また、中には退職まではいかずとも、今のキャリアに悩んでいる人が多いのも事実です。
「このまま定年まで働くイメージがわかない」
「自分の強みがわからない」
「今の仕事を辞めたとしても他に何がやりたいかわからない」
「そもそも辞める・辞めないの判断ができない」
こういう思いを抱いてモヤモヤしている方は、ぜひ専門家に相談してみましょう。
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5年後に今の職場にいる自分が想像できない切実な現状

冒頭で触れたアンケートの話では、ある自治体で「5年後もこの市役所に勤めているか」という問いに、5割以上が「いないと思う」と回答したそうです。
そのうち、20代・30代は7割以上が「いないと思う」だったようで、現状の厳しさが如実に感じられるケースです。
なぜなら、入庁1〜2年目の職員はやる気がみなぎっている一方で、職場をよく知る30代が「5年後のビジョン」を見いだせないことこそが、本当の危機だからです。
退職を考える職員はしっかり現実を見据えている
市役所を退職した同期・同僚と話していて感じるのは、「仕事そのもの」への不満は少ないということです。
だからこそ突発的に辞めるのではなく、計画的に退職を考えている人が多い印象です。
特に数人の同僚は不動産投資を早くから行い、しっかりと生活基盤を立ててから辞めていきました。
また、NISAを含め、株式投資で着実に資産を増やし、転職後の収入減少に備えていたという同期もいました。
職場に”見切り”をつけた同期・同僚は総じて数年単位で「退職してもいい」準備をしていたのです。
つまり、「5年後に今の職場にいることが想像できない」職員たちの中には、すでに”いつかの退職”に向けて準備を進めている人もいる、ということです。
職場を見切った職員が通る3つのルート
職場を”見切った”からといって、退職するのが正しい選択かは、その人によるでしょう。
今の職場に残り、しっかりと仕事をし続けるのも間違いではありませんし、むしろそれが王道でしょう。
一方、リスクをとってでも次のステージに進むのも、一度限りの人生では正しい判断だと思います。
市役所に残る
「辞めるほどではないけど、このままでは無理」という層が最も多いでしょう。
残ると決めるなら、目標はシンプルで、自分が壊れない形に考え方を変えることです。
仕事とは別の趣味や目標を立て、その目標を達成するための基盤として仕事を捉えるといいでしょう。
もちろん、仕事を楽しめれば最高なので、仕事のなかに個人的な目標を立て、達成感を得られるようになれば言うことありません。
仕事のモチベーションを上げるヒントは別記事にしてありますので、参考にしてください。
市役所の中で“別の未来”を作る

より積極的に仕事と関わるなら、自身が希望する部署に異動することを考えてみてください。
たとえば、専門性が身に付く財務・税務部署や、考えを形にしていく企画部門など、あなた自身が希望する部署があるはずです。
市役所はルーティンが多く達成感を感じにくい一方で、制度や仕組みを作る側に寄るほど“成果”を実感しやすい傾向があります。
もちろん、受け身の異動では、希望する部署に行くことは難しいかもしれません。
そんなときは、異動の武器になる資格取得や学習など、自発的に活動してみてください。
市役所を出る(退職・転職)
今の市役所を辞め、別の職に就くのもひとつの選択肢です。
他自治体への転職や、民間企業への転職も十分可能です。
ただし大事なのは、“今すぐ辞める”のではなく、計画的に進めること。
たとえば転職活動は在職中に行ったり、数年単位で資産をしっかり貯めるなど、退職後に起こりうるリスクに対応できるようにしておいてください。
特に20代・30代は、まだ民間企業でも動きやすい年代です。
仕事への達成感や、結果が”お金”で評価されることを望むなら、民間企業への転職も視野に入れてみましょう。
ただし、市役所の仕事は「何をしてきたか」が伝わりにくいところもあるので、職務経歴書の書き方は転職エージェントやレジュマップという職務経歴書作成ツールを頼ってもいいでしょう。
Q&A
- 5年後に職場にいる未来が想像できません。今すべきことはなんでしょう。
5年後にどんな状態になっていてもいいよう、まずは資産を作ることをおすすめします。
「辞めたいのに辞められない」という状況は、結局お金の問題が大半だからです。
5年後、どのような状況になっていても大丈夫なよう、ある程度の資産を作っておきましょう。
- 「見切り」とは、具体的にどんな状態ですか?
「今がしんどい」よりも、「ここで続けても状況が変わる気がしない」「5年後もここにいる自分が想像できない」と感じる状態です。
今の職場に希望が持てず、将来が固定されたように見えるのが特徴です。
- ルーティンが多いことは、そんなに問題ですか?
ルーティン自体は決して問題ではありません。
ルーティン業務が得意な職員もたくさんいます。
一方、仕事の重要性とは別に、ルーティン中心だと「やりきった感」を得にくいのは事実です。
市役所の仕事は成果が見えづらい分、達成感を感じにくい人が出やすい構造と言えます。
まとめ:“続けたい仕組み”になっていないからこそ起こるジレンマ

市役所退職に気持ちが傾くのは、「仕事がつらいから」だけではありません。
「この職場は良くなる未来が見えない」、「自分がここで働き続ける姿が想像できない」、こんな感覚がいったん根付くと、業務改善が一部進んでも気持ちは戻りにくくなります。
そして、職場を見切った職員ほど「突発的に辞める」のではなく、数年単位で準備しながら計画的に動いています。
つまり、5年後を想像できない人が増えている職場では、すでに水面下で“次の一手”を進めている職員が多くいる可能性があります。
だからこそ、あなた自身が職場に見切りをつけてしまったときは、突発的な行動には出ず、しっかり今後の計画を練るようにしましょう。
まずは、次の3パターンをベースに、今後どうしたいか考えてみてください。
- 市役所に残る
- 庁内で別の未来を作る
- 市役所を出る(退職・転職)
大切なのは、「辞める・辞めない」で悩むことではなく、自分が向かうべき方向を明確にすることです。
「5年後の自分はきっとこうしている」、そう言えるようになりたいものですね。
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