「市役所で働きたいけれど、実際にはどんな仕事をしているのだろう?」

そんな疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。

市役所と聞くと、住民票を発行したり、窓口で手続きをしたりする姿をイメージする人が多いかもしれませんね。

しかし、実際にはそれだけではありません。

子育てを支援する部署、道路や公園を管理する部署、災害に備える部署、市役所全体の予算をまとめる部署など、さまざまな分野があるのです。

そのため、同じ「市役所職員」でも、配属先によって仕事内容や関わる相手、働き方は大きく変わります

この記事では、市役所への就職を考えている人に向けて、市役所にはどのような部署があるのか、職員がそこでどのように働いているのかを、できるだけわかりやすく紹介します。

なお、自治体によって部署名や仕事の分け方は異なります。

本記事では、多くの市役所に共通する代表的な仕事を取り上げます。

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住民の手続きや生活に関わる仕事

窓口で制度説明する女性職員

住民票や戸籍、住所変更などの手続きを支える仕事

市民課、戸籍住民課、住民窓口課など

市役所と聞いて、多くの人が最初に思い浮かべるのがこの仕事かもしれませんね。

引っ越しをしたときの住所変更や、結婚したときの婚姻届、子どもが生まれたときの出生届など、人生の節目に関わる手続きを担当しています。

また、就職や進学で必要になる住民票や印鑑証明書を発行するのも、この部署の仕事です。

市民と直接話す機会が一番多いといっても過言ではなく、忙しい時期は窓口が混み合うこともあります。

月初めや週初めは窓口が混む傾向があります。

また、クリスマスや元日、11月22日など、婚姻届の提出が増えやすい日もあります。

基本的に外出する機会の少ない部署ですが、「住民実態調査」といって、本当に住民票のある住所に住んでいるか調査を行うこともあります

正確に手続きを進めることはもちろん、制度をわかりやすく説明する力も求められる職場です。

市民にとって「市役所の顔」とも言える部署なので、制度について聞かれたり、クレームを受けたりすることも多いです。

税金に関わる仕事

税務課、市民税課、資産税課、収納課など

市役所では、住民税や固定資産税などの税金に関する仕事も行っています。

たとえば、前年の収入をもとに住民税の金額を計算したり、土地や建物の状況を確認して固定資産税を決めたりします

また、家屋調査を行う部署もあり、実際に市民のお宅にお邪魔して調査をすることもあります

繁忙期がわかりやすく、課税する金額を計算する時期(年明け)は忙しくなります。

数字を扱う仕事というイメージがありますが、実際には市民に制度を説明することも大事な仕事です。

そのため、納付について相談に乗ったりする場面も少なくありません

少し異色なのが、滞納している税金を取り立てる部署です。

給与や預金の差押えや、財産を公売にかけることもある、市役所の中でも強い強制力を持つ部署です。

徴収部門は、一般的な「窓口の仕事」とはかなり違った一面を持つ部署ですね。

国民健康保険や年金に関わる仕事

保険年金課、国保年金課、健康保険課、後期高齢者医療課など

会社を退職した人が国民健康保険に加入したり、就職して会社の健康保険に入った人が国民健康保険をやめたりするときに関わる部署です。

また、75歳以上の高齢者が加入する後期高齢者医療保険の手続きを行うのも仕事のひとつです。

制度が複雑なため、市民から質問を受けることも多く、わかりやすく説明する力が必要になります。

国民年金に関する手続きも担当しており、国民健康保険とセットで案内することも多いです。

特に引っ越しをしてきた方や結婚・離婚といった戸籍の手続きをする方が、保険や年金の手続きをすることも多いですね。

つまり、市民課との連携も重要になってきます。

福祉や子育てを支える仕事

窓口で制度説明する男性職員

生活に困っている人を支える仕事

生活福祉課、生活支援課、保護課など

病気や失業などによって収入が減り、家賃や生活費を払うことが難しくなった人から相談を受ける仕事です。

たとえば、「仕事を失って貯金がほとんどない」「病気で働けず、今後の生活が不安」といった相談があります。

職員は相談者の収入や家族構成、住まいの状況などを確認し、生活保護をはじめ、利用できる制度を案内します。

生活保護を受けることになった場合は、定期的に生活状況を確認し、必要に応じて自宅を訪問することもあります。

また、就職に向けた支援を行ったり、病院や福祉施設、ハローワークなどと連絡を取ったりする場合もあります

書類の手続きだけで終わる仕事ではなく、その人が抱えている事情を聞きながら、生活を立て直す方法を一緒に考えていく仕事です。

人の生活に深く関わるため、難しい判断や対応が必要になることもありますが、生活を支える重要な役割を担っていると言えますね。

生活保護関連の部署は、市役所の中でも職員の団結が強いイメージがあります。

高齢者や障害のある人を支える仕事

高齢福祉課、介護保険課、地域包括ケア推進課、障害福祉課、障害支援課など

市役所では、高齢者や障害のある人が、住み慣れた地域で生活を続けられるように支える仕事も行っています。

たとえば、「親に介護が必要になったけれど、何から始めればよいかわからない」「障害福祉サービスを利用したいが、どのような手続きが必要なのかわからない」といった相談を受けます。

高齢者に関する仕事では、介護サービスを利用するための申請を受け付けたり、どの程度の介護が必要なのかを確認したりします。

一人暮らしの高齢者の見守りや、家族からの相談に対応することもあります。

障害福祉に関する仕事では、障害者手帳や福祉サービス、各種手当などの手続きを行います。

本人や家族の話を聞き、生活に必要な支援を一緒に考えることも大切な仕事です。

また、地域全体の福祉サービスをどのように整えていくかを考えることも、市役所の重要な役割です。

市民だけでなく、介護施設、福祉事業者、医療機関、地域の相談窓口など、多くの関係者と連携・調整することになります。

計画を策定するのも重要な仕事です。

たとえば、介護保険事業計画は3年ごとに見直すため、常に計画の策定に追われる担当者もいます。

子育て家庭を支える仕事

子育て支援課、こども家庭課、保育課、こども政策課など

妊娠や出産、保育所への入所、子どもの成長など、子育てのさまざまな場面で家庭を支える仕事です。

たとえば、子どもが生まれた家庭への児童手当、保育所の入所手続き、子どもの医療費助成、ひとり親家庭への支援などを担当します。

「育児休業を終えて仕事に復帰したいので、保育所を探したい」
「子どもの医療費の助成について知りたい」
「子育てについて相談できる場所がわからない」

このような相談を受け、家庭の状況に合った制度や相談窓口を案内することもあります。

保育所への入所では、申請を受け付けるだけではありません。

希望する保育所や家庭の状況、施設の空き状況などを確認しながら、入所先を決めるための調整も行います。

また、子育てに悩んでいる家庭から相談を受けたり、子どもの安全が心配される場合には、学校、保育所、医療機関、児童相談所などと協力して対応したりすることもあります

そのほか、地域にどのくらい保育サービスが必要か、どのような子育て支援を充実させるかを考え、計画を作ることも大切な仕事です。

子どもや保護者だけでなく、保育所、幼稚園、学校、医療機関、福祉施設など、多くの関係者と連絡を取りながら進めていきます。

「子ども家庭支援センター」などの運営も大事な仕事です。

子育てへの不安、親子関係、子どもの発達、家庭内の困りごとなど、幅広い相談を受けています。

教育や文化に関わる仕事

学校で現場調整をする自治体職員

学校教育を支える仕事

学校教育課、学務課、教育総務課、学校施設課、学校給食課など

子どもたちが安心して学校に通い、先生たちが教育に取り組めるよう、学校運営をさまざまな面から支えるのも、市役所の重要な仕事です。

具体的な仕事としては、小学校や中学校への入学・転校手続き、通学する学校の案内、経済的な事情がある家庭への就学援助などがあります

また、学校の校舎や体育館、トイレ、空調設備などを整備することも大切な仕事です。

施設に不具合があれば修理を行い、古くなった学校については改修や建て替えの計画を立てます。

学校給食を担当する部署では、食材の調達や給食施設の管理、食物アレルギーへの対応などに関わります。

このほか、不登校や通学路の安全など、子どもを取り巻く課題について、学校や保護者、福祉・子育ての担当部署などと話し合うこともあります

なお、学校教育に関する仕事の多くは、教育委員会が担当しています。

教育委員会は、市長を中心とする組織とは別に置かれている、教育長が中心の組織です。

一般行政職として採用された職員が教育委員会で働くときは、市長から「教育委員会へ出向を命ずる」といった辞令をもらいます。

とはいえ、職員から見れば、通常の人事異動として教育委員会の部署に配属されるイメージです。

文化やスポーツに関わる仕事

生涯学習課、文化振興課、スポーツ振興課、文化財課、図書館、公民館など

市役所では、市民が学んだり、文化やスポーツに親しんだりできる環境を整える仕事も行っています。

たとえば、図書館や公民館、市民ホール、文化会館、体育館、運動場などの施設を管理し、市民が安全に利用できるようにしています

公民館では、市民に部屋を貸し出すだけでなく、講座や地域活動を企画することもあります。

文化を担当する部署では、自治体固有の文化財の保護や、地域で活動する文化団体の支援も仕事です。

地域に残る古い建物や遺跡、伝統行事などを守り、次の世代へ伝えていくことも大事な仕事です。

スポーツを担当する部署では、市民向けのスポーツ教室や大会を開催するほか、体育館やグラウンドの管理、地域のスポーツ団体との調整などを行います。

イベントや大会の開催時には、土日や夜間に勤務する場合がありますよ。

市民と直接関わる場面が多いだけでなく、施設職員、地域団体、講師、出演者、スポーツ団体、事業者など、さまざまな人と協力しながら進める仕事です。

スポーツイベントなどでは、市民ボランティアを募集することも多いです。

タイミングが合うようなら、ぜひ参加してみてください。

まちづくりや公共施設に関わる仕事

道路の状況を確認する自治体職員

道路や公園を安全に使えるようにする仕事

道路課、土木課、道路管理課、公園緑地課、みどり公園課など

道路や公園を新しく造るだけでなく、日頃から安全に使える状態を保つ仕事も行っています。

市民から、「道路に穴が空いている」「側溝のふたが壊れている」「公園の遊具が壊れている」「街路樹の枝が伸びて、標識が見えにくい」などの連絡が入ることもあります。

職員は実際に現地へ行き、危険な状態ではないか確認するのも大事な仕事です。

道路を掘って水道管やガス管の工事をしたい事業者から申請を受けたり、道路上に看板や工事用の足場を設置するための手続きを行ったりすることもあります。

また、新しい道路や公園を整備するときには、設計図を作り、工事費を計算し、工事を担当する事業者を決めます

工事が始まった後は、計画どおりに進んでいるか、安全に施工されているかを現場で確認します。

道路の拡幅や公園の整備では、近隣住民に工事内容を説明したり、土地の所有者や警察、電気・ガス・水道などの事業者と調整したりする場面もあります。

デスクで図面や書類を確認する仕事と、現地で道路や公園の状態を確認する仕事の両方がある部署です。

一般事務だけでなく、土木などの専門職も配置される部署ですね。

これからのまちの形を考える仕事

都市計画課、まちづくり課、都市整備課、市街地整備課、開発指導課など

市役所には、今ある道路や建物を管理するだけでなく、将来のまちの姿を考える仕事もあります。

たとえば、駅前を歩きやすくするにはどうすればよいか、新しい住宅地や商業施設をどこに整備するのか、道路や公園をどのように配置するのかなどを考えます

言い換えると、地域の課題を整理し、10年後、20年後を見据えて、まちづくりの方針や計画を作っていくのです。

また、住宅地の近くに大きな店舗やマンションを建てたいという計画が出されたときには、法律や市のルールに合っているかを確認し、必要に応じて事業者と話し合います

駅前や市街地を大きく整備するときには、市役所だけで計画を進めることはできません。

土地や建物を所有する人、地域住民、商店街、鉄道会社、バス会社、警察、国や都道府県など、多くの関係者と話し合いながら進めます。

計画を作る前には、住民アンケートを取ったり、説明会を開いて地域の意見を聞くこともあります。

自分が担当している間には完成しない仕事もありますが、将来の市民が暮らしやすいまちをつくるために、長い時間をかけて取り組む仕事ですね。

公共施設を管理する仕事

施設管理課、公共施設マネジメント課、営繕課、管財課など

市役所、学校、公民館、図書館、スポーツ施設など、自治体には多くの建物があります。

こうした建物を、市民が安全に利用できる状態に保つことも、市役所の大切な仕事です。

小さな修理であれば早めに業者へ依頼しますが、大規模な改修が必要な場合は、工事の方法や費用、施設を休館する期間などを検討しなければなりません

自治体によっては、古くなった公共施設が増えている一方で、人口や利用者が減っていることもあります。

そのため、すべての施設をそのまま残すのではなく、建て替えるのか、ほかの施設とまとめるのか、役割を終えた施設を廃止するのかを考えることもあります

たとえば、古くなった公民館と図書館をひとつの建物にまとめたり、利用者の少ない施設の使い方を見直したりするケースがあります。

こうした見直しでは、建物の状態や維持費だけでなく、地域住民の利用状況や意見も確認します。

普段何気なく利用している施設も、こうした仕事によって支えられているんですね。

水道や下水道を安全に使えるようにする仕事

水道課、下水道課、上下水道課、給水課、浄水課、下水道施設課など

家庭の蛇口から安全な水が出ることや、使い終わった水を適切に処理することも、市役所が支えている大切な仕事です。

水道を担当する部署では、川や地下水などから取り入れた水を浄水場できれいにし、水道管を通して家庭や事業所へ届けます。

もちろん、「水道管から水が漏れている」「急に水の出が悪くなった」「新しく建てる家に水道を引きたい」といった相談に対応することも大事な仕事です。

下水道を担当する部署では、家庭や事業所から出た汚水を下水処理場へ運び、きれいにしてから川や海へ戻す仕組みを管理しています。

下水管が詰まったり、マンホールやポンプ設備に不具合が起きたりした場合には、現地を確認して修理を行います。

古くなった下水管の点検や交換、下水道を新しく整備する地域の工事も大切な仕事です。

上下水道の部署では、土木職のほか、浄水場や処理場の設備を管理する電気職・機械職・化学職などの専門職が働くこともあります。

普段は意識する機会が少ないかもしれませんが、安全な水を届け、使った水を適切に処理することで、市民の暮らしや地域の環境を支えているんですね。

環境や安全を守る仕事

河川の水質調査を行う自治体職員

ごみや環境に関わる仕事

環境課、資源循環課、ごみ対策課、清掃事務所など

「粗大ごみはどうやって出せばいいですか?」
「近くで不法投棄がありました。」

こうした相談を受けるのも市役所の仕事です。

ごみの分け方や収集日を案内するだけでなく、地域ごとの収集ルートを考えたり、ごみ収集業者と契約したり、収集が予定どおり行われているか確認したりすることも市役所の仕事です。

また、ごみを減らし、資源として再利用するための取り組みも行っています

たとえば、食品ロスを減らすための呼びかけ、資源ごみの回収、家庭で使わなくなった物の再利用、生ごみを減らすための支援などです。

私がいた自治体では、ごみ収集担当者は、年末年始も出勤していました。

祝日であっても、ごみの収集日には、万が一のトラブルに備えて担当職員が市役所で待機していました。

環境を担当する部署では、ごみ以外の相談にも対応します。

省エネ設備や再生可能エネルギーの利用を進める取り組み、地域の自然や生き物を守る取り組みなども行います。

また、河川の水質や、幹線道路沿いの大気の状態を調べることも大切な仕事です。

防災や危機管理に関わる仕事

防災課、危機管理課、防災危機管理室など

市役所では、地震や大雨、台風などの災害が起きたときに市民の安全を守れるよう、平常時からさまざまな準備をしています。

たとえば、どの地域にどのような災害の危険があるのかを確認し、避難場所や避難経路をまとめたハザードマップを作成します

また、地域住民や学校、警察、消防などと協力して防災訓練を行い、災害が起きたときに誰が何をするのかを確認します

市役所職員向けの訓練やマニュアルづくりも、防災担当の仕事です。

大雨や台風が近づいているときには、川の水位や雨量、道路の状況などを集め、避難情報を出す必要があるかを検討します。

もちろん、災害が発生したときには、防災担当だけで対応するわけではありません。

市役所全体で対応するなかで、その中心となるのが防災担当部署なのです。

防災や危機管理の仕事は、災害が起きたときだけではありません。

普段から計画や訓練、備蓄、関係機関との調整を重ね、いざというときに市役所全体が動けるよう準備する仕事です。

普段は目立ちませんが、市民の安全を守るために欠かせない仕事ですね。

交通安全や防犯に関わる仕事

市民安全課、交通防犯課、地域安全課など

市民が交通事故や犯罪の被害に遭わないよう、安心して暮らせる地域をつくることも市役所の仕事です。

交通安全に関する仕事では、通学路や交差点の安全を確認したり、危険な場所について学校や警察と話し合ったりします。

また、子どもや高齢者を対象とした交通安全教室を開いたり、自転車の安全な乗り方や反射材の使用を呼びかけたりすることもあります。

防犯に関する仕事では、防犯灯や防犯カメラの設置・管理、地域の見守り活動への支援、防犯情報の発信などを行います。

地域で不審者情報や特殊詐欺の被害が増えている場合には、警察と連携して注意を呼びかけたり、自治会や防犯団体と協力してパトロールを行ったりすることもあります。

交通安全や防犯の仕事は、市役所だけで完結するものではありません。

警察、学校、自治会、地域のボランティア、道路を管理する部署など、さまざまな人と連絡を取りながら進めていきます。

危険な場所や地域の課題を見つけ、事故や被害を未然に防ぐための環境を整える仕事ですね。

地域や産業を支える仕事

地域住民と話し合いを行う自治体職員

地域活動を支える仕事

地域振興課、市民協働課、コミュニティ推進課など

自治会や町内会、市民活動団体などと協力しながら、地域をより暮らしやすくする仕事です。

職員は、利用できる補助金や制度を案内したり、必要な手続きを進めたりします。

地域のお祭りや交流イベント、防災訓練などを、市民と一緒に考えることもあります。

また、自治会だけでなく、子育て支援、環境保全、福祉、まちづくりなどに取り組む市民活動団体を支える仕事もあります

活動場所を紹介したり、補助金を交付したり、市役所のほかの部署や地域団体につないだりします。

地域の集会所やコミュニティセンターを管理することも、この分野の仕事です。

施設の予約や利用案内だけでなく、設備の修理、運営団体との調整、利用ルールの見直しなども行います。

市役所が一方的に事業を進めるのではなく、地域住民や団体と役割を分けながら取り組むことが多い仕事ですね。

人と話すことが好きな人には、やりがいを感じやすい仕事かもしれません。

商業や事業者を支える仕事

産業振興課、商工振興課、経済政策課、企業支援課など

地域の商店や中小企業、これから事業を始めたい人を支える仕事もあります。

職員は、創業支援や融資、補助金などの制度を案内し、申請書類の確認や審査を行います

商工会議所や金融機関などと連絡を取りながら、事業者を必要な支援につなぐこともあります。

商店街への支援も大切な仕事です。

イベントや空き店舗対策、街路灯の管理などに使える補助金を交付したり、商店街の人たちと今後の活性化策を話し合ったりします。

また、地域に企業を呼び込むため、進出を検討している企業へ土地や支援制度を案内することもあります

そのほか、合同就職説明会の開催や求人情報の発信など、地域で働きたい人と事業者を結びつける仕事を担当する自治体もあります。

事業者からの相談に対応するだけでなく、地域の産業が今後も続いていくように、商店街、企業、金融機関、商工団体などと協力しながら取り組む仕事です。

PayPayなどのキャッシュレス決済を利用したポイント還元キャンペーンを行うこともありました。

地域の経済を活性化させるための企画を行うのも、これらの部署の特徴です。

観光や地域の魅力を伝える仕事

観光課、観光振興課、シティプロモーション課など

地域を訪れる人を増やしたり、まちの魅力を広く知ってもらったりする仕事です。

たとえば、観光名所やイベント、地域の特産品などを、パンフレットやホームページ、SNSで紹介します。

観光案内所の運営や、案内看板の整備に関わることもあります。

観光イベントでは、企画を考えるだけでなく、会場の手配、警察や消防との調整、広報、当日の運営まで幅広く関わる場合があります。

イベントによっては、土日や夜間に勤務することもあります。

シティプロモーションを担当する部署では、観光客だけでなく、移住を考えている人や地域外の企業などに向けて、まちの暮らしやすさや魅力を発信するのも仕事のひとつです。

広告や発信だけをする仕事に見えるかもしれませんが、実際には地域の魅力を見つけ、事業者や市民と協力しながら、どのように伝えるかを考えていきます

市の公式ゆるキャラの担当になることも多い部署ですね。

農業や地域の産業を支える仕事

農政課、農業振興課、水産振興課など

市役所では、農家や漁業者など、地域の特色ある産業を支える仕事も行っています。

農業では、農業を続けるための補助制度や、新しく農業を始めたい人への支援、農地に関する相談などを担当します。

農作物への被害や、使われなくなった農地について相談を受けることもあります。

また、地域の農産物を知ってもらうため、直売会や学校給食との連携、特産品のPRなどを進めることもあります。

さらに、農業体験促進のために、市民農園を設けたり、農業体験の機会をつくったりする自治体もあります。

ただ、農業の盛んな地域や水産業の盛んな地域など、この分野の仕事内容は地域差が大きいです。

市役所の運営を支える仕事

会議室で打合せをする自治体職員

職員や組織を支える仕事

人事課、職員課、人材育成課、給与厚生課など

市役所で働く職員や組織を支える仕事もあります。

人事を担当する部署では、職員採用試験を行い、新しく働く職員を採用します。

採用案内を作成したり、試験会場を準備したり、受験者からの問い合わせに対応したりすることも仕事のひとつです。

市役所志望の方が最初に接するのは、この部署の職員です。

また、職員が仕事に必要な知識を身につけるため、新人研修や管理職研修、法律・制度に関する研修などを企画します。

研修の日程を組み、講師や会場を手配することもあります。

給与や手当、勤務時間の管理も大切な仕事です。

毎月の給与を正しく支払うだけでなく、通勤手当や住居手当、時間外勤務手当などを確認します。

職員から、「育児休業を取りたい」「病気でしばらく仕事を休むことになった」、といった相談を受け、必要な手続きを案内するのもこの部署です。

市民と接する機会は少ないものの、市役所で働く職員全員を支える重要な仕事です。

市役所全体の予算を管理する仕事

財政課、財務課、予算課など

市役所が新しい公園を造ったり、学校を修理したり、子育て支援を行ったりするには、必ずお金が必要です。

財政を担当する部署では、市役所にどのくらいの収入があり、何にいくら使うのかを考え、市役所全体の予算をまとめます。

各部署から予算の希望が提出されますが、市役所が使えるお金には限りがあるため、すべての希望をそのまま認めることはできません。

財政担当の職員は、事業の目的や必要性、見積金額などを確認し、本当に今行う必要があるのか、金額を抑える方法はないかを各部署と話し合います。

翌年度の当初予算を作るだけでなく、「補正予算」といって、年度の途中で予算を追加・変更することもあります。

結果的に、1年中忙しい部署になっている自治体も多いです。

財政課は、直接市民向けの事業を行う部署ではありません。

しかし、各部署が仕事を進めるために必要な予算を整え、市役所全体の財政を支える役割を担っています

民間の予算と違うのは、歳入と歳出の金額が一致していることです。

民間企業を経験していると、ここは本当に独特な感じがします。

工事や物品購入の契約を支える仕事

契約課、調達課、工事契約課など

市役所では、道路工事や学校の改修、ごみ収集、パソコンの購入など、さまざまな仕事を民間事業者に依頼しています。

その際、どの事業者に、いくらで仕事を依頼するのかを決めるための手続きを行うのが、契約を担当する部署です。

たとえば、新しい道路を造る場合、市役所が工事内容や条件を示し、複数の事業者から金額などを提示してもらいます。

その内容を比べ、決められたルールに沿って契約する事業者を選びます。

これが「入札」と呼ばれる手続きです。

契約担当の職員は、入札の日時や参加条件を決め、事業者から提出された書類を確認します。

契約する事業者が決まった後は、契約書を作成し、必要な手続きを進めます。

とはいえ、最近は電子入札が主流になっていて、契約書を電子化している自治体もあります

公平な条件で事業者を選び、手続きがルールどおりに行われるよう注意する必要があります。

工事だけでなく、文房具や公用車、庁内システムの購入、施設の清掃や警備なども契約の対象です。

市の土地や建物、備品を管理する仕事

管財課、財産管理課、庁舎管理課など

市役所は、庁舎や学校、公園だけでなく、多くの土地、建物、公用車、備品などを所有しています。

こうした市の財産を管理することも、市役所の仕事です。

たとえば、市が所有している土地の場所や面積、利用状況を確認し、記録を管理します。

現在使われていない土地や建物について、今後利用するのか、貸し出すのか、売却するのかを検討することもあります。

また、市役所庁舎の設備管理、清掃、警備、電話設備、駐車場などを担当する場合もあります

「会議室の空調が故障した」、「庁舎の照明が切れた」、「事務椅子をもう1脚ほしい」など、内部からの依頼に対応するのも大事な仕事です。

市民からは見えにくい仕事ですが、市役所の仕事を続けられる環境を整える役割を担っていると言えます。

政策や計画を考える仕事

企画政策課、政策推進課、総合政策課、行政経営課など

目の前の手続きや施設管理だけでなく、市全体の将来を考える仕事もあります。

「人口が減る中で、地域をどのように維持していくか」
「若い世代に住み続けてもらうために、どのような支援が必要か」
「限られた職員や予算で、行政サービスをどう続けるか」

といった、市役所全体に関わる課題を考えます

企画政策を担当する部署では、市が今後どのようなまちを目指すのかを示す総合的な計画を作ります。

計画を作るときは、人口や財政、地域の状況などだけでなく、市民アンケートを行ったり、地域住民や有識者から意見を聞いたり、各部署が抱えている課題を整理したりもします。

複数の部署に関係する事業について、役割を整理し、全体の方向性をまとめることも企画政策担当の重要な仕事です。

また、市長が掲げる方針を具体的な事業に落とし込んだり、重要な事業が予定どおり進んでいるかを確認したりすることも多いです。

新しい企画を自由に考える仕事に見えるかもしれませんが、実際には資料の作成、データの整理、会議の運営、各部署との調整など、地道な仕事も多くあります

市民に情報を届ける仕事

広報課、広報広聴課、秘書広報課、シティプロモーション課など

市役所では、制度や手続き、イベント、災害など、市民生活に関わるさまざまな情報を発信しています。

広報を担当する部署では、市の広報紙を作成したり、ホームページやSNSを更新したりします。

広報紙を作る場合は、各部署から記事の内容を集め、文章を読みやすく整えます。

写真を撮影したり、紙面の構成を考えたり、印刷会社と調整したりすることもあります。

広報紙の発行頻度は自治体によって異なります。

月に2回発行する自治体は、常に広報紙の作成に追われて結構大変です。

また、広報だけでなく「広聴」を担当する部署もあります。

広聴とは、市民から寄せられた意見や要望を受け取り、市役所の担当部署につなぐ仕事です。

市民からの要望には、各部署を横断するものも多いため、部署間の調整を行うのも仕事のひとつです。

さらに、新聞社やテレビ局などのマスコミ対応を行うこともあります。

市の新しい取り組みやイベントについて報道発表の資料を作成したり、記者からの問い合わせを担当部署につないだりします。

事件や事故、災害などが発生した場合には、市としてどの情報を、どのタイミングで公表するのかを関係部署と調整します。

自治体によっては、定例記者会見の準備、市長への説明資料の作成、当日の記者対応なども広報担当が行います。

市民向けの情報発信だけでなく、市役所を代表して報道機関との窓口になることも、広報の大切な役割です。

システムやデジタル化を支える仕事

情報政策課、デジタル推進課、DX推進課など

市役所でもデジタル化が進み、システム管理の重要性が増しています。

職員が仕事で使うパソコンやネットワーク、市役所全体の業務システムが、安定して使えるように管理するのが主な仕事です。

仮にサーバーがダウンすると、市の業務のほとんどが止まってしまうほど影響が大きいため、システムの管理には細心の注意を払う必要があります。

もちろん、システムの開発や保守は、民間の事業者に依頼することが多いです。

そのため、市役所の仕事に必要な機能を整理し、事業者へ説明したり、費用やスケジュールを調整したりするのも仕事のひとつです。

最近では、市民が市役所へ行かなくても手続きできるよう、オンライン申請を増やしたり、窓口で書く書類を減らしたりする取り組みも進んでいます。

オンライン化するにあたって、各部署と話し合いながら手続きの流れを整理し、さらにシステム事業者とも調整を行います。

また、情報を安全に管理することも重要です。

市役所は、住所や所得、健康、福祉など、多くの個人情報を扱っています。

不正なアクセスや情報漏えいを防ぐため、セキュリティ対策を行い、職員向けの研修や注意喚起を行うことも仕事です。

今後、さらに重要性が高まっていく部署のひとつと言えますね。

市議会や選挙を支える仕事

議会準備を行う自治体職員

市議会を支える仕事

議会事務局、議事課、議会総務課など

市議会は、市の予算や条例など、市民生活に関わる重要なことを話し合い、決定する場です。

議会事務局では、市議会が円滑に進むよう、議員や市役所の各部署を支える仕事を行っています。

たとえば、市議会の本会議や委員会を開くため、日程を調整し、会場や資料を準備します。

議案や請願・陳情などを整理し、議員へ配付することも仕事のひとつです。

会議中は、発言する議員の順番や時間を確認したり、採決の結果を記録したりします。

会議が終わった後は、録音した内容などをもとに、誰がどのような発言をしたのかをまとめた会議録を作成します。

自治体によっては、市議会のホームページの更新、会議のインターネット中継、市民向けの議会だよりの作成などを担当することもあります。

議会事務局は、市長を中心とする市長部局とは別に置かれる、市議会の事務を支える組織です。

ただし、一般行政職として採用された市役所職員が、議会事務局に配属されることも多いです。

議員の視察の調整・同行も大事な仕事です。

視察場所によっては、宿泊を伴うこともあります。

選挙を運営する仕事

選挙管理委員会事務局、総務課選挙担当など

市長や市議会議員、国会議員などを選ぶ選挙を、正確かつ公平に行うことも市役所の大切な仕事です。

選挙を担当する部署では、まず、投票できる人をまとめた選挙人名簿を用意します。

選挙が決まると、投票所となる学校や公民館を確保し、投票箱や投票用紙、記載台などを準備します。

投票所で働く職員の配置を決め、当日の仕事や注意点を説明することも必要です。

このほか、候補者に選挙運動のルールや必要な手続きを説明したり、選挙公報を作成・配布したり、ポスター掲示場を設置したりする仕事もあります

選挙は短い期間に多くの準備が必要になるため、担当部署だけでなく、市役所のさまざまな部署から多くの職員が応援に入ります。

選挙管理委員会は、市長から一定の独立性を持つ組織です。

ひとつの間違いが選挙結果への信頼に関わるため、公平で正確な作業が求められます。

選挙管理委員会の職員は、選挙が決まると残業が一気に増えます。

特に国政選挙はいつ行われるかわからないので、「衆議院が解散するかも」といった情報には敏感になります。

まとめ:市役所にはさまざまな仕事がある

庁舎を見上げる男性職員

今回は、多くの市役所に共通する主な仕事を紹介しました。

市民と直接話す機会が多い部署もあれば、市役所内部の職員や予算、システムを支える部署もあります。

デスクワークが中心の部署だけでなく、道路や公園、施設などの現場へ出る部署もあります。

これらに共通しているのは、その地域に住む人が安心して暮らせるよう、必要な仕組みや環境を整えることです。

また、社会や地域の状況が変われば、市役所に求められる仕事も変わります。

人口減少や災害への備え、行政手続きのデジタル化など、見直しを進めなくてはならない課題も増えています。

まずは、市役所には窓口以外にも幅広い仕事があり、配属先によってまったく異なる経験ができることを知ってもらえればと思います。

この記事を通して、「市役所にはこんな仕事もあるのか」と、働く姿を少しでも具体的にイメージしてもらえたらうれしいです。

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