「今、市役所を辞めたら、退職金って実際いくら貰えるんだろう…?」
そんな疑問、一度は抱いたことありますよね。
- 何年働けばどれだけ増えるの?
- 定年退職と自己都合退職では、どれくらい差があるの?
- やっぱり東京都内の自治体の退職金は他の自治体と比べて多いのかな?
このあたりが特に気になるポイントだと思います。
そこでこの記事では、東京都内の市役所職員の退職金制度をベースに、退職金の仕組みや金額の目安を具体例を使って解説します。
都外の自治体の退職金制度や、都内と都外の自治体ではどちらが有利な退職金制度かも確認していきますよ!
市役所職員の退職金制度(東京都内の自治体)
市役所の退職金は、基本的に勤続年数に応じて毎年しっかり増えていく仕組みです。
そして、その退職金は、基本的に以下の2つで構成されています。
① 基本額:基礎給料月額(退職時) × 勤続年数に応じた支給率
② 調整額:職責や役職に応じた“上乗せ”の金額(一定条件で支給)
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
基本額とは? 1年でどれだけ基本額が増える?
退職時の基礎給料月額に勤続年数に応じた支給率をかけたものが「基本額」です。
たとえば東京都内の自治体の場合、基本給40万円で勤続35年なら、40万円×43か月=1,720万円が基本額となります。
「基礎給料月額」とは、地域手当などの手当等を含まない、純粋な基本給のことです。
例えば、東京都市町村職員退職手当組合に所属する自治体の場合、おおよその目安はこんな感じです。
| 勤続年数 | 支給率(基礎給料月額の○月分) |
|---|---|
| 1年 | 0.9か月分 |
| 10年 | 9か月分 |
| 20年 | 23か月分 |
| 30年 | 38か月分 |
| 35年 | 43か月分(上限) |
最初の10年は退職金も低めで、20年、30年と続けていくと退職金の支給率が増加していきます。
毎年0.9~1.6か月分ずつ増えるイメージですね。
ただし、35年を超えてもそれ以上は増えないのでご注意を。

私は都内の市役所に13年勤続して、支給率12.6か月分でした。
調整額とは? 自己都合退職だと貰えない退職金
実はこれ、かなり大きなポイントです。
調整額は、定年退職や勧奨退職、病気退職などの特定のケースのみ、10年以上勤めたときに支給される「上乗せ金額」です。
自己都合退職では基本付かない退職金なので、同じ勤続年数でも、「定年で辞めるか」「自己都合で辞めるか」で、退職金に数百万円単位の差がつくのはこのためです。
退職金調整額の計算方法
東京都市町村職員退職手当組合に加入している自治体のケースで確認していきましょう。
調整額は退職前20年間(240か月)の役職により決まります。
ちなみに、都内の市役所や東京都、東京23区は同じ計算式を採用しています。
【計算式】
主任分:15点×240か月×1,100円=3,960,000円
ずっと主任職だった場合でも、調整額だけで400万円近く貰えるんです!
【計算式】
部長分:35点×60か月×1,100円=2,310,000円
課長分:30点×120か月×1,100円=3,960,000円
課長補佐分:25点×60か月×1,100円=1,650,000円
合計:7,920,000円
部長まで上り詰めれば、調整額だけで800万円弱も貰えるんですね!
定年退職と自己都合退職、退職金の差はどれくらい?
自己都合退職の場合、基本額は同じ計算式ですが、調整額が支給されない、もしくは一部減額されます。
例えば同じ20年働いたとしても、自己都合退職の場合は原則として調整額が支給されないため、同じ勤続年数でも数百万円単位の差が生じることがあります。
具体的にどのくらい差があるのか、2パターン見てみましょう。
なお、勤続年数30年以上のケースでは、自己都合退職でも調整額(通常の4分の1)を加えています。

20年以上勤め、かつ50歳以降の自己都合退職の場合、市長が認めた場合に限り、通常の4分の1の調整額を貰えることがあります。(※自治体による)
パターン1:ずっと主任職だったケース
具体的に、主任職として勤務したケースで、定年退職と自己都合退職でどれくらい退職金が違うか見てみましょう。
| 勤続年数 | 基礎給料月額 | 定年退職 の退職金 | 自己都合退職 の退職金 | 退職金の差額 |
|---|---|---|---|---|
| 10年 (2年目から主任) | 25万円 | 416万円 | 225万円 | 191万円 |
| 35万円 | 506万円 | 315万円 | 191万円 | |
| 20年 (5年目から主任) | 30万円 | 1,053万円 | 690万円 | 363万円 |
| 35万円 | 1,168万円 | 805万円 | 363万円 | |
| 30年 | 30万円 | 1,536万円 | 1,239万円 | 297万円 |
| 35万円 | 1,726万円 | 1,429万円 | 297万円 | |
| 35年 | 30万円 | 1,686万円 | 1,389万円 | 297万円 |
| 35万円 | 1,901万円 | 1,604万円 | 297万円 |
パターン2:最終的に課長で退職したケース
次に最終的に課長として退職したケースです。
| 勤続年数 | 基礎給料月額 | 定年退職 の退職金 | 自己都合退職 の退職金 | 退職金の差額 |
|---|---|---|---|---|
| 20年 (10年課長補佐 ・10年課長) | 45万円 | 1,761万円 | 1,035万円 | 726万円 |
| 30年 (課長補佐5年 ・課長15年) | 45万円 | 2,469万円 | 1,900万円 | 569万円 |
| 35年 (課長補佐5年 ・課長15年) | 45万円 | 2,694万円 | 2,125万円 | 569万円 |
役職をもって退職すると、定年退職と自己都合退職で大きく退職金が変わりますね。
退職金はいつ入金される?

では、実際に退職金はいつ入金されるのでしょうか。
退職金の入金は、退職からおおよそ2か月くらいかかると考えておきましょう。
お金のスケジュールとしては、退職の翌月には勤務最終月の残業代が入金され、さらに翌月に退職金が入金されるイメージですね。
事前に振込日の案内や「退職手当裁定書」などの通知が来ると思いますので、慌てずに待っていてください。

3月末に退職した私の場合、退職金の入金は5月9日でした!
都内の市役所と都外の市役所の退職金の計算方法は違う⁉
実は東京都内の自治体の退職金制度はちょっと特殊で、他県の市役所の退職金の計算方法は異なります。
都外の自治体は、国の退職金制度がベースになっているケースが多く、例えば支給率の上限が43か月分ではなく約47.7か月分であったり、早期退職者への退職金が渋かったりします。
では、このあたりを詳しく見ていきましょう。
東京都外の市役所の退職金の計算方法
都外の市役所の退職金も、基本的に以下の2つで構成されています。
① 基本額:基礎給料月額(退職時) × 勤続年数に応じた支給率
② 調整額:職責や役職に応じた“上乗せ”の金額(一定条件で支給)
ただし、都内の市役所とは支給率の上限値が異なります。
また、同じ勤続年数でも、定年退職と自己都合退職では支給率が異なるのも特徴です。
おおよその目安はこんな感じです。
| 勤続年数 | 支給率 (定年退職) | 支給率 (自己都合退職) |
|---|---|---|
| 1年 | 0.837か月分 | 0.5022か月分 |
| 10年 | 8.37か月分 | 5.022か月分 |
| 20年 | 24.585875か月分 | 19.6695か月分 |
| 30年 | 40.80375か月分 | 34.7355か月分 |
| 35年 | 47.709か月分(上限) | 39.7575か月分 |
| 40年 | 47.709か月分 | 44.7795か月分(上限) |
支給率は高いが調整額が低い
都内の市役所と比較すると、都外の市役所は支給率が高い一方で、調整額が低いのです。
イメージとしては、都内の市役所の調整額の半分程度の額になりそうです。
役職区分ごとに定められた額 × 60か月
※役職区分ごとに定められた額は自治体によって異なりますが、21,700円から95,400円の間で10区分程度に分かれていることが多いです。
都内と都外、どちらの市役所の退職金制度のほうがお得?
都内と都外の自治体の退職金制度はどちらがお得なのでしょう。
自治体により俸給表が異なるため、一概にどちらがお得かは判断できませんが、仮に同じ基礎給料月額を貰った場合を仮定して確認してみましょう!
| 勤続年数 | 都内自治体 都外自治体 | 基礎給料月額 | 定年退職 の退職金 | 自己都合退職 の退職金 | 有利な自治体 |
|---|---|---|---|---|---|
| 5年 (主事) | 都内自治体 | 22万円 | 99万円 | 99万円 | 自己都合は都内自治体が有利! |
| 都外自治体 | 104万円 | 62万円 | |||
| 10年 (2年目から 主任) | 都内自治体 | 25万円 | 416万円 | 225万円 | 都内自治体が有利! |
| 都外自治体 | 313万円 | 177万円 | |||
| 20年 (5年目から 主任) | 都内自治体 | 30万円 | 1,053万円 | 690万円 | 都内自治体が有利! |
| 都外自治体 | 867万円 | 655万円 | |||
| 30年 (最終役職主任) | 都内自治体 | 35万円 | 1,726万円 | 1,429万円 | 都内自治体が有利! |
| 都外自治体 | 1,558万円 | 1,345万円 | |||
| 40年 (最終役職主任) | 都内自治体 | 35万円 | 1,901万円 | 1,604万円 | 自己都合退職するなら都外自治体! |
| 都外自治体 | 1,800万円 | 1,697万円 | |||
| 40年 (課長補佐5年 ・課長15年) | 都内自治体 | 45万円 | 2,694万円 | 2,125万円 | 自己都合退職するなら都外自治体! |
| 都外自治体 | 2,504万円 | 2,372万円 |
基本的には都内自治体の退職金制度のほうが有利に働きます。
特に早い段階で自己都合退職するケースでは、都外自治体の退職金制度は不利な作りになっていますね。
とはいえ、都内都外に関わらず、定年まで勤めるか、または30年以上勤めないと、まとまった退職金を得るのは難しそうですね。
まとめ:退職金の仕組みを知って、後悔しない選択を!
退職金制度は、一見シンプルに見えても、実は「勤続年数」「役職」「退職理由」によって金額が大きく変わります。
特に市役所職員の場合、
- 勤続年数ごとに支給率が上がっていく「基本額」
- 役職経験などで上乗せされる「調整額」
- 定年退職と自己都合退職で数百万円単位の差が出る
など、知らずに退職すると損をする要素が多くあります。
また、東京都内と他県の自治体では制度設計にも違いがあるため、「同じ給料でも退職金に差が出る」ということも十分あり得ます。
だからこそ、退職を考える際には、
- どのタイミングで辞めるのが得か?
- 役職や勤続年数によって、どこで支給額が跳ね上がるか?
- 定年まで勤めた場合と自己都合で辞めた場合で、どれくらい差が出るか?
これらを冷静に比較・検討しておくことが大切ですよ!
退職金は、一生に一度の大きな収入です。
制度を正しく理解して、ベストな選択をしてくださいね!
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