病気休暇や休職の終わりが近づいてくると、どうしても職場に戻りたくないと考えてしまいます。

そんなことを考えると、自分を責めてしまうかもしれません。

でも、復職したくない気持ちは、ある意味では当然の感情です。

また同じように体調を崩すのではないか。
元の部署や上司のもとに戻るのが怖い。
新しい部署でやっていけるか不安。
周囲にどう見られるのか気になる。

そうした不安が重なって、「復職したくない」と感じることは、決してあなただけではありません。

そんなとき、復職するか退職するかをすぐに決めるのではなく、まずは何が不安なのかを整理してみましょう

この記事では、病気休暇・休職明けに復職したくないと感じている公務員の方に向けて、職場に戻る前に考えたいことを整理していきます。

病気休暇・休職明けに復職したくないと感じるのは自然なこと

病気休暇や休職の終わりが近づくと、「復職しなければ」と思う一方で、どうしても職場に戻りたくないと感じるものです。

これは、当然の感情です。

長期間離れていた職場に戻るというのは、病気の有無に関係なくきついものだからです。

特に復職となると、「また体調を崩すのではないか」とか、「職場に迷惑をかけたのが申し訳ない」といった感情が湧いてくるのは自然なことです。

また、職場に戻りたくない理由として、“仕事をしたくない”からではなく、仕事をすること・仕事に戻ること自体に不安を感じていることも多いです。

すべて自然な感情なので、そのまま受け止めてあげてください。

大切なのは、「復職したくない自分はダメだ」と責めることではなく、何に不安を感じているのか整理することです。

不安に感じていることを整理することで、解決策が見つかることもありますよ。

病気休暇明けと休職明けでは、不安の中身が少し違う

ひとことで「復職」といっても、病気休暇明けなのか、休職明けなのかによって、不安の中身は少し違うかもしれません。

どちらも職場に戻る不安はありますが、心配するポイントが少し変わってくることがあります。

病気休暇明けは、元の部署に戻る不安がある

病気休暇は多くの自治体では最大90日とされています。

そのため、休暇理由によっては人員補充を行わないケースがあります。

結果として、病気休暇の場合、休暇明けに元の部署へ戻るケースもあり得るのです。

休んだ原因が、業務量や人間関係、上司との関係にあった場合、元の部署に戻ること自体が大きな不安になりますよね。

もちろん、病気休暇明けであっても、事情によって別部署への異動や配置換えに柔軟に対応してもらえることは十分に考えられます

特に部署内の異動であれば、所属長権限でできる自治体もあり、より柔軟に対応してもらえる可能性もあります。

私自身、「もう無理です!」と相談した結果、課内で異動をさせてもらったことがあります。

また、主治医の診断書や意見書に、「配置転換が望ましい」というような内容があれば、別の部署での復職となる可能性もあります。

元の部署に戻ることが心身の負担になる場合は、主治医、人事課、所属長などに具体的に相談してみることが大切です。

休職明けは、別部署でも不安が残る

一方で、休職明けの場合は、復帰訓練ののちに別部署へ配属になるケースが多いと思います。

ここで不安になるのは、「新しい仕事を覚え直せるだろうか」とか、「また合わない部署だったらどうしよう」、「また同じように限界になってしまったらどうしよう」といったものではないでしょうか。

つまり、復職したくないという気持ちは、必ずしも「元の部署に戻りたくない」だけではないはずです。

そうした不安から復職したくないと感じることは、休職した多くの人が経験してきたことです。

公務員が復職したくないと感じる主な理由

ここからは、公務員が病気休暇・休職明けに復職したくないと感じる理由を、もう少し具体的に整理してみましょう。

自分に当てはまるものがないか、確認しながら読んでみてください。

異動先の仕事内容や雰囲気が合わなかった

体調を崩して休職する背景には、異動先での仕事が合わなかったケースが多いように感じています。

公務員、とくに市役所では、異動によってまるで“転職”かのように業務内容が大きく変わることがあります。

住民対応、福祉、税、滞納、議会対応、災害対応など、部署によって扱う業務が大きく違いますし、それまで内部事務をしていた人が、急に窓口対応の多い部署に行くこともあります。

当然、業務の内容だけでなく、人間関係や係の雰囲気も変わります。

前の部署では問題なく働けていた人でも、異動先の業務量や雰囲気が合わず、心身の調子を崩してしまうことは、当然にあり得るんですね。

そのような経験があると、復職前に、「また合わない部署だったらどうしよう」とか、「あの異動がきっかけで休んだのに、また働けるのだろうか」といった不安を感じるのは自然なことです。

人が減っても仕事が減らず、負担が集中していた

もうひとつ、急激に仕事量が増大するときも、心身の調子を崩す原因になることが多いです。

これは、育休や急な退職などで人が減るケースです。

人が減っても仕事量が大きく減るわけではありませんので、残る人たちで補うことになります。

もちろん、育休や退職が悪いわけではなく、人員配置を柔軟にできない制度の欠点が問題です。

とはいえ、人員の補充がままならない状況では、残った職員が無理をしてでも回す必要があり、結果として体調を崩す人もいるのです。

そうした環境で限界まで働いた人にとって、復職は単に「職場に戻る」ことではありません。

「また同じ人手不足の中で働くことがあったら、また体調を崩してしまうのではないか」、と不安になるのは当然ですよね。

人員補充は簡単にできないことを身をもって知っているのですから、別の部署に復職したとしても、不安はぬぐえないものです。

上司からの要求やプレッシャーが強かった

病気休暇や休職の背景には、上司との関係があることもあります。

「ミスばかり責めてくる上司」や「人前で叱責する上司」のような、いわゆるパワハラを受けてしまうと、メンタルは確実に削られます。

昨今はコンプライアンス意識も高まっているとはいえ、こういう上司がいないとは限りません。

現に私が勤めていた市役所にも、いまだにこういうタイプの管理職がいました。

このように、休職理由が上司からの無理な要求やプレッシャーだった場合、同じ職場に戻ること自体に不安を感じるのは自然なことです。

「あの上司と顔を合わせたらどうしよう」とか、「また追い込まれるのではないか」と感じてしまうのも無理はありません。

また同じように体調を崩すのが怖い

病気休暇・休職明けに復職したくない理由として大きいのが、再発への不安ではないでしょうか。

一度体調を崩して休むと、「また休むことになったらどうしよう」と不安になりがちです。

特に、休む前にまじめに頑張りすぎていた人ほど、復職後もまた同じように頑張ってしまうのではないかと不安になってしまう気がします。

復職したくない気持ちの奥には、「もう一度壊されたくない」という切実な思いがあることも多いはずです。

周囲にどう見られるかが不安

復職すると、職場の人と再び顔を合わせることになります。

これが精神的に大きなプレッシャーになるのは誰もがわかるはずです。

「迷惑をかけたと思われているのではないか」、「陰で何か言われているのではないか」と不安になる人も多いはずです。

ただ、この点については安心してください。

あなたが想像するほど、周囲は迷惑だとは感じてはいません。

むしろあなたの体調を心配している人もいるはずですよ。

体調がまだ戻りきっていない

特に注意したいのは、体調が十分に回復していないケースです。

朝起きるのがまだつらかったり、集中力が戻っていない状態では、復職に不安を感じるのは当然です。

外から見ると元気そうに見えても、本人の中ではまだギリギリということもあるでしょう。

「もう期限だから戻らないと」と無理に復職する前に、本当に職場に戻れる状態なのか、主治医とよく相談することが大切です。

復職したくない公務員が戻る前に考えたい選択肢

復職に不安を感じたとき、考えてしまうのは「辞める」ことかもしれません。

実際、私の同僚でも、休職の後に退職した人が多くいました。

ただ、退職は大きな判断です。

まずは、休む期間の延長、配置換え、段階的な復職など、ほかに取れる選択肢がないかを確認してからでも遅くありません。

ここでは、戻る前に考えたい選択肢を整理していきましょう。

医師に元の部署へ戻る不安を具体的に伝える

まず大事になるのが、主治医に今の不安を具体的に伝えることです。

「復職が不安です」だけではなく、何に不安を感じているか伝えてみてください。

主治医に伝える具体例
  • 元の上司と働くと症状が悪化しそう
  • 窓口対応が続くと不安が強くなる
  • 長時間労働になると再発が心配
  • 人手不足の部署に戻るのが怖い
  • 段階的にゆっくりと勤務時間や業務量を戻したい
  • 別部署なら働ける可能性がある

状況によっては、診断書や意見書に反映されることも考えられます。

人事課や所属長に相談するうえで、医師の意見は大切な材料になります。

人事課や所属長に別部署での復職を相談する

復職する際は、職場での復帰面談があります。

ここで、今の状態から希望する部署を伝えることも選択肢に入れておくといいでしょう。

希望が通るとは限りませんが、少なくとも元の部署に戻されることがないように配慮をお願いしておくべきです。

復帰訓練のプランについても、事前に相談しておくといいかもしれません。

ここは職場に気を遣う場面ではなく、自分の思っていること・感じていることを素直に伝えるのが最善です。

自分を守るためにも、伝えられる範囲で今の状態を話してみてくださいね。

体調が戻っていないなら、休む期間の延長を相談する

病気休暇や休職の終わりが近づいていても、体調が十分に戻っていないことはよくあることです。

主治医に現在の状態を具体的に伝え、病気休暇や休職の延長が必要かどうか相談してみましょう。

医師が休養の継続が必要と判断した場合、診断書をもとに休む期間の延長を相談できるはずです。

ただし、病気休暇や休職には、それぞれ取得できる期間や上限があります。

制度は自治体により異なりますが、基本的な制度は病気休暇・休職の取り方の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。

復職せず退職する

どうしても復職が難しい場合は、復職せずに退職することも選択肢のひとつになります。

元の職場環境に戻ることで体調が悪化する可能性が高い場合や、公務員として働き続けること自体がつらい場合は、退職を考えることも自然なことです。

ただし、体調が不安定なときに勢いで退職を決めるのは注意が必要です。

退職に際しては、退職後の生活費や次の働き方など、考えることもたくさんあります。

復職したくない気持ちが強いときほど、「もう辞めるしかない」と考えやすいですが、退職すると、別の不安が大きくなることもあります

もし、病気休暇中・休職中のまま退職できるのか、復職せずに辞める場合の流れが気になる方は、手続きやお金についてまとめた記事がありますので確認してみてください。

復職したくないと感じたときに避けたいこと

復職したくないと感じたときは、不安が大きくなり、冷静な判断ができなくなっていることもあります。

ここでは、できれば避けたいことを整理してみましょう。

一人で抱え込む

まず避けたいのは、一人で抱え込むことです。

復職するか、休む期間を延ばすか、退職するか。

こうしたことを一人で考え続けると、どんどん追い詰められてしまいます。

主治医、人事課、所属長、家族、信頼できる人など、相談できる人はいるか考えてみてください。

誰かに話すことで、自分が何に不安を感じているのか整理できることもありますよ。

勢いで退職を決める

退職は選択肢のひとつですが、勢いだけで決めるのは危険です。

これも、まずは身近な人に相談するようにしてください。

退職を考えるなら、生活費、制度、次の働き方をある程度考えてからにした方が賢明です。

「自分が弱いだけ」と決めつける

病気休暇や休職を取ったこと、復職したくないことを、「自分が弱いだけ」と決めつけるのはやめましょう

もちろん、自分に合う働き方を考えることは大切です。

でも、休むことになった背景には、職場環境や人員体制、上司との関係など、様々なことが影響しているはずです。

複合的な要素が絡み合った結果、体調を崩しただけなのですから。

今の状況に悩んでいるなら専門家に相談してみよう

多くの市役所職員が「今のままでいいのかな…」と悩んでいるのは事実です。

実際、退職者数は近年増えており、20代・30代の自治体職員(都道府県職員を除く)の退職者数は年間2万人を超えました

過去10年間の自治体公務員の普通退職者数のグラフ
総務省「地方公務員の退職状況等調査」から抽出・計算

もはや市役所職員の退職は珍しいものではなくなってきているのです。

また、中には退職まではいかずとも、今のキャリアに悩んでいる人が多いのも事実です。

「このまま定年まで働くイメージがわかない」
「自分の強みがわからない」
「今の仕事を辞めたとしても他に何がやりたいかわからない」
「そもそも辞める・辞めないの判断ができない」

こういう思いを抱いてモヤモヤしている方は、ぜひ専門家に相談してみましょう。

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今の状況がつらいと感じている方にカウンセリングはあり

また、今の苦しい胸の内を整理するには、カウンセリングを受けるのも有効です。

たとえば、うららか相談室や、Kimochi(キモチ)では、公認心理師や臨床心理士に相談することができます。

オンラインカウンセリングなので、カウンセリングルームに通う必要もなく、自宅などから相談可能なのが特徴です。

詳しくは、公務員が仕事の悩みを相談する先をまとめた記事がありますので、そちらも併せてご覧ください。

Q&A

Q&Aを開いて確認する
病気休暇・休職明けに復職したくないのは甘えですか?

甘えとは限りません。

休む前に無理をしていた人ほど、「また同じように体調を崩すのでは」と不安になるのは自然なことです。

特に、病気休暇や休職の原因が人間関係、業務量、上司からの強い要求などにあった場合、復職に不安を感じるのは当然です。

まずは自分を責めるより、何が不安なのかを整理してみてください。

そのうえで、できることから始めてみましょう。

病気休暇明けに元の部署へ戻りたくない場合はどうすればいいですか?

まずは主治医に、元の部署へ戻ることへの不安を具体的に伝えましょう。

上司との関係、業務量、窓口対応、人間関係など、何が負担だったのかも説明してみてください。

状況によっては、診断書や意見書に配置転換が望ましい旨を書いてもらえる場合もあります。

そのうえで、人事課や所属長に相談する流れの中で、病気休暇の理由のひとつと考えられれば、別の部署への異動も考えられます。

医師の診断書があれば、必ず別部署に異動できますか?

このあたりは各自治体の判断になるので、何とも言えません。

人員配置や組織の都合もあるため、医師の意見があっても希望どおりにならないことはあります。

ただし、診断書や意見書は、人事課や所属長、または復職審査会に健康上の配慮を相談するうえで大切な材料になります。

体調管理のために必要な配慮として伝えやすくなります。

病気休暇や休職は延長できますか?

病気休暇や休職を延長できるかどうかは、勤務先の制度、期間の上限、主治医の診断内容によって変わります。

体調がまだ戻っていない場合は、まず主治医に現在の状態を具体的に伝え、復職できる状態かどうかを相談しましょう。

医師が休養の継続が必要と判断した場合、診断書をもとに休む期間の延長を相談できることがあります。

ただし、病気休暇や休職には期間の上限があります。

延長できる期間や、給与・手当への影響については、勤務先の人事課に確認しておくことが大切です。

病気休暇や休職の期間上限については、病気休暇・休職の取り方の記事も参考にしてください。

復職期限が近いのに、まだ働ける気がしない場合はどうすればいいですか?

復職期限が近づいていても、まだ働ける状態ではないと感じるなら、一人で抱え込まず、早めに主治医や人事課に相談しましょう。

「朝起きられない」
「通勤を想像すると不安が強い」
「人と話すだけで疲れる」
「集中力が戻っていない」

など、具体的な状態を医師に伝えることが大切です。

そのうえで、休む期間の延長、段階的な復職、別部署での復職、業務配慮など、どの選択肢が現実的かを相談してみましょう。

復職せずに退職することはできますか?

状況によっては、復職せずに退職する選択もあり得ます。

ただし退職に際しては、退職後の生活などを考える必要があります。

退職手続きの流れや注意点については、別記事「休職中に退職できる?」で詳しくまとめています。

まとめ:復職できないと感じたら、戻る前に選択肢を整理しよう

病気休暇・休職明けに復職したくないと感じるのは、決してあなただけではありません。

特に休む前に無理をしていた人ほど、「また同じように体調を崩すのではないか」と不安になるのは自然なことです。

まずは、何が不安なのかを整理してみてください。

理由によって、選べる道は変わります。

医師や人事課に相談しながら、休む期間の延長、配置換え、段階的な復職、退職など、自分の体調を守れる選択肢を考えていきましょう。

復職できないと感じたときは、無理に自分を奮い立たせる必要はありません。

自分がこれ以上壊れないための選択肢を選べるのはあなただけなのですから。

そのためにも、まずは主治医などに感じていることを相談してみてくださいね。

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