市役所の仕事は精神の消耗との闘いです。
私の同期・同僚でも休職した方は多数います。
その中には、そのまま退職の道を選んだ方もいれば、一度復職したけれどもすぐに退職された方もいました。
望んだ退職ではなかったかもしれませんが、市役所の仕事だけが人生のすべてではありません。
これは実際に市役所を早期退職した私にはよくわかります。
大事なのはこの後も続いていく人生をいかに自分らしく生きるかです。
休職のあと復職できるに越したことはありませんが、今一度自分の人生を見つめ直したとき、「市役所を退職する」という考えも決して間違いではありません。
今回の記事では、休職中の退職の仕方、休職中の傷病手当は引き続きもらえるのか、退職後の保障などについてお話していきます。
決して退職を勧めるものではありませんが、知識として知っておくと今後の選択に困らないようになるはずです。
病気休暇と病気休職の違い
メンタルの不調を感じた市役所職員は、「病気休暇」と「病気休職」を取得することができます。
それぞれ異なる制度になっており、大まかな内容は次のとおりです。
| 項目 | 病気休暇 | 病気休職 |
|---|---|---|
| 期間 | 最長90日 | 通算最長3年 |
| 給与 | 全額支給(有給) | 1年は80%支給 2年目以降は3分の2 |
| 発動の方法 | 職員の申請+診断書で承認 | 任命権者の分限処分 (診断書・産業医意見等を踏まえ発令) |
| 必要書類 | 診断書(就労不可・期間明記) | 診断書、産業医意見、復職支援計画 など |
| 期間超過時の対応 | 病気休職へ | 免職の可能性 |
まずは給与が全額支給される病気休暇を取得し、病気休暇内に体調が戻らなかったときに休職する流れが一般的です。
病気休暇を含めれば、最長3年3か月程度まで療養に充てることができるのは、公務員のメリットのひとつです。
まずは焦らずにしっかりと体調を整え、復職することを考えてみましょう。
本当に市役所を辞めていいのか考え抜こう
休職中は気持ちが弱っているため、「職場に迷惑をかけている」、「復帰しても変に気を遣われそう」、「メンタルの弱い人間だと思われていそう」などと考えてしまいがちです。
しかし実際は、まともな職員で休職している方を悪く言う人なんていないのが実情です。

私自身、身近に休職をされた方もいましたし、また職場復帰訓練に協力した経験も多々ありますが、「うまく復帰できるといいな」としか思っていませんでした。
それは小さな職場で一緒に働く大事な仲間だからです。
とはいえ、休職している本人にとって決して小さな悩みでないこともわかります。
「これ以上職場に迷惑はかけられない」、「もう職場の人間に会いたくない」などと、退職が頭をよぎることもあるでしょう。
でも、まずは本当に辞めていいのかしっかり考えてみてください。
休職中は考える時間があります。
まだ市役所でやりたい仕事はないか、辞めて後悔しないかを、「自分本位」で考えてみてください。
職場の人間など、他人のことを考える必要はありません。
それでも何か月もの間「退職」の意思が変わらなければ、この記事の続きを読んでください。
休職中に退職する方法

休職期間中に退職をすることは、全く問題ありません。
シンプルな話、職場に退職願を提出するだけです。
ただし、退職まではいくつかのステップがありますので、順を追って説明していきます。
自己都合退職については、以下の記事でも記載していますので、併せてご覧ください。
1.職場に退職の意向を伝える
まずは職場に退職の意思を伝えます。
休職時は人事課付けになっていることが考えられるため、退職の意思を伝える相手は人事課の職員がいいでしょう。
直接人事課に行ってもいいですが、体調が優れない場合は電話やメールでも構いません。
自治体によっては、ここで面談を求められることがあるかもしれません。
面談を受けるかどうかはあなた次第です。
職場の人間と顔を合わせるのが苦痛なら面談を断っても構いません。
また、「どうしても職場に連絡することができない」という方は、退職代行を検討してもいいでしょう。
2.退職願を提出する
退職の意思を伝えたあとは、職場から必要書類の提出を求められます。
そのうちのひとつが「退職願」。
退職願は手書きが基本となるため、持参または郵送するようにしましょう。

自治体ごとに退職願のフォーマットがあるはずなので、送ってもらうようにしてください。

3.備品・貸与品を返却する

職員証やロッカーのカギ、災害対応服などの備品や貸与品があれば返却することになります。
こちらも直接持参するか郵送するようにしましょう。
ただし、保険証に関しては退職日まで使うので、退職後に返却することになります。
返却の手間を減らすため、マイナンバーカードと保険証の連携をしておくことをおすすめします。
- 職員証
- 保険証(家族分も含む)
- 職員用ロッカーのカギ
- 貸与された衣装
4.職場の荷物を整理する
職場に残したままの私物を整理する必要があります。
職場に行くことが難しければ、私物の一切を処分してもらうか、着払いで郵送してもらうかお願いしてみましょう。
もちろん同期や同僚職員にお願いしてもいいですし、場合によっては家族にお願いしてもいいでしょう。

同僚と顔を合わせたくなければ、土日の夜間帯に行ってみるのもいいと思います。
事前に連絡をしておくと、私物をまとめておいてくれるかもしれません。
退職した後の手当の扱い
次の仕事を決められない状況の中で市役所を退職するのは、金銭面でも不安があります。
しかし、市役所職員の場合は傷病手当が支給されますので安心してください。
とはいえ、休職中と比べると支給期間等で差がありますので、そのあたりを確認しておきましょう。
退職後は通算最長1年6か月の傷病手当のみ
休職中と退職後で、受けられる手当には違いがあります。
具体的には次のとおりです。
| 期間 | 支給者・制度 | 支給率 | 休職中 | 退職後 |
|---|---|---|---|---|
| 1年 | 所属自治体・条例または規則 | 給与・手当の80% | ||
| 1年6か月 | 共済組合・法定給付 (傷病手当) | 過去1年の標準報酬月額平均の3分の2 | ||
| 6か月 | 共済組合・付加給付 (傷病手当) | 過去1年の標準報酬月額平均の3分の2 |
※傷病手当を受給するには在職1年以上等の条件があります。
退職後に受け取れる手当は法定給付の傷病手当のみです。
そして、傷病手当は休職中に受け取っていた期間と合算して通算最長1年6か月になります。
例えば休職中に傷病手当を受け取っていたら、退職後に受け取れる傷病手当の期間は少なくなります。
イメージは次のとおりです。

障害厚生年金も確認しておこう
傷病手当と並行して確認しておきたいのが障害年金です。
市役所職員は厚生年金に加入しているため、国民年金よりも手厚い保障があります。
休職をされた方なら退職後も在職時と同じように手厚い保障を受けられます。
具体的には、国民年金にはない「障害の程度3級」という障害年金制度が利用できます。
詳しくは日本年金機構の障害厚生年金のページをご覧ください。
また、障害厚生年金の請求については、主治医に相談したうえで、日本年金機構に必要書類を提出してください。

障害年金は休職中に申請が可能です。
再就職するまでの保険は扶養・共済任意継続・国保

退職前に決めておかなくてはならないことのひとつに、退職後に加入する健康保険があります。
再就職するのであれば、新しい勤務先の保険に加入しますが、退職後も引き続き療養をする場合は以下の方法から選ぶことになります。
- 共済保険の任意継続(最長2年)
- 国民健康保険に加入
- 家族の社会保険に加入(被扶養者)
金銭面で一番お得なのは、被扶養者として家族の保険に加入する方法です。
配偶者や両親の保険に加入できないか検討してみましょう。
共済保険の任意継続または国民健康保険に加入する場合は、どちらがお得か計算することをおすすめします。
国民健康保険はお住まいの自治体で加入することになりますが、自治体ごとに保険料が異なります。
まずはお住まいの自治体のホームページに国保料の計算シートがあるか確認してみてください。
共済保険を任意継続する場合は、人事課経由で手続きをすることになります。
気が重いかもしれませんが、自身の大事な保険の話なので、メールでも構いませんので早めに相談しておきましょう。

私が共済保険に任意継続加入したときの保険料は、退職時点の標準報酬月額の10%でした。
退職金を当面の生活費に充てよう
市役所を含む公務員には失業手当がありません。
失業手当の代わりになるのが退職金です。
事前にいくらくらい退職金を受け取れるのか確認しておきましょう。
なお、退職金は休職期間を除いて計算することに注意してください。
FPに相談するのも正しい判断
退職後に仕事に就かない場合、保険料や税金で支出ばかりが増えていきます。
特に税金は前年の所得に応じて支払う必要があるため、退職翌年は大きな出費になることも。
退職金や傷病手当、また今まで蓄えてきた貯蓄で生活が可能か、専門家の意見を聞いておくと安心です。
退職後の生活設計が得意なFP(ファイナンシャルプランナー)に相談し、具体的なライフプラン表などを作成してもらうと安心して療養できますよ。

保険商品紹介が前提の無料FPではなく、有料でも客観的に親身な意見をくれるFPを選ぶのが大切です。
今の状況に悩んでいるなら専門家に相談してみよう
多くの市役所職員が「今のままでいいのかな…」と悩んでいるのは事実です。
実際、退職者数は近年増えており、20代・30代の自治体職員(都道府県職員を除く)の退職者数は年間2万人を超えました。

もはや市役所職員の退職は珍しいものではなくなってきているのです。
また、中には退職まではいかずとも、今のキャリアに悩んでいる人が多いのも事実です。
「このまま定年まで働くイメージがわかない」
「自分の強みがわからない」
「今の仕事を辞めたとしても他に何がやりたいかわからない」
「そもそも辞める・辞めないの判断ができない」
こういう思いを抱いてモヤモヤしている方は、ぜひ専門家に相談してみましょう。
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相談するなら公務員のキャリア相談に特化した専門家です。
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Q&A
- 退職の連絡がつらいです。電話せずに進められますか?
可能です。
退職願は郵送で提出できます。
家族等に委任して人事担当と連絡をとってもらうのもよいでしょう。
診断書で就労困難な状況を添え、「書面でのやり取りを希望」と明記すると負担が減ります。
- 退職理由はどう書けば角が立ちませんか?
「一身上の都合により退職いたします」「健康上の理由により治療に専念するため退職いたします」で十分です。
面接や書類でも、詳細な病名の説明は不要です。
- うつ病で休職中のまま障害年金を申請できますか?
受給できるかは別として、申請は可能です。
また、障害年金は退職が必須条件ではないことも知っておきましょう。
初診日・納付要件・等級が満たされれば請求可能で、年金事務所に必要書類を提出します。
同一傷病(例:うつ病)で障害厚生年金が支給される期間は、傷病手当金が調整されることがある点に注意してください。
- 再就職はいつ・どんな働き方から始めるべきですか?
体調の安定が最優先です。
まずは週3日・1日4〜6時間など短時間・定型・低刺激の業務から始められるといいですね。
障害手帳を持っているのであれば、障害者雇用で合理的配慮のもと始め、半年〜1年かけて一般枠に移る“二段構え”も現実的です。
まとめ:休職中でも退職は可能
休職中であっても、あなた自身の意思で退職することは可能です。
大切なのは、「市役所でやり残したことはないか」をしっかりと考えて出した結論であるかだけです。
職場に行かなくても、また、電話等で話をしなくても退職手続きは可能です。
退職後も療養が必要であれば、傷病手当を引き続き受給しながら安静にすることもできます。
退職しても不安な気持ちになることはあるでしょうが、メンタルを崩してしまった原因が市役所であれば、退職するだけで心がスッと軽くなることもあるでしょう。
まずはしっかり休養をとり、疲れてしまった心を解きほぐしてあげてください。
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