市役所の人間関係は、一見ドライなようにみえて、意外と濃密なものです。
私自身も、市役所での人間関係には、なんだかんだと常に悩んでいました。
人間関係がしんどいと、朝起きた瞬間から気持ちが重くなるんですよね。
部署によっては、外出や出張が少なく、ほとんど一日中自席で過ごすこともあります。
そうなると、なおさら職場の人間関係は毎日の働きやすさに大きく影響します。

反対に、仕事がどんなに大変でも、人間関係がいいと苦にならないんですよね。
そこで今回は、人間関係がしんどいと感じる理由と、限界になる前に考えたいことを整理していきます。
公務員が人間関係に悩むのは決して意外ではない

日中の大半を共に過ごす職場の人間関係は、正直なところ最大のストレスと言っても過言ではありません。
これは公務員でも民間でも変わりませんが、公務員には公務員特有の人間関係があるのも、また事実です。
公務員なら誰もが感じる可能性がある人間関係の悩みについて、整理していきましょう。
毎日同じ人と顔を合わせるだけでも疲れる
公務員は民間企業の営業職のように外回りが多いわけでもなく、出張で職場を離れる機会もそれほど多くありません。
部署によっては、朝から夕方までほとんど同じ席で、同じメンバーと働くことになります。
職場の雰囲気が良ければいいんです。
でも、苦手な上司や先輩、同僚が近くにいる場合、その距離の近さが大きな負担になってきます。

正直なところ、仕事そのものよりも「その人と同じ空間にいること」がつらくなるんですよね。
今でも、言い方が冷たい人や機嫌によって態度が変わる人、遠回しな嫌味を言う人などはいます。
ちょっとしたことですが、こんな小さなストレスが毎日続くだけで憂鬱になるんですよね。
部下を一人の人間として扱わない上司に当たると心が削られる

人間関係の中でも、上司との関係は大きいです。
公務員の仕事は、決裁、報告、相談、調整など、上司と関わる場面が多くあります。
そのため、上司との相性が悪いと、毎日の仕事そのものがつらくなります。
最近はコンプライアンス意識も高まり、昔のように強く怒鳴ったり、明らかに威圧的な指導をしたりする人は少なくなっているかもしれません。
それでも、部下を一人の人間としてではなく、ただの作業要員のように扱う上司に当たることはあります。
こちらの事情や負担を考えずに仕事を振る。
相談してもまともに取り合わない。
ミスをしたときだけ強く責める。
感情や体調がある人間としてではなく、都合よく動く駒のように扱う。

こういう上司は、自身が仕事ができることが多い印象です。
仕事ができる分、他の人にも同じレベルの仕事を要求してしまうのかもしれません。
怒鳴られていなくても、明確なパワハラとまでは言えなくても、人として尊重されていない感覚は確実に心を削ります。
人間関係のつらさは、強い言葉を言われたときだけに生まれるものではないんですよね。
同僚の輪に入れていないと感じるだけでもつらい
職場の人間関係でつらいのは、上司との関係だけではありません。
同僚との距離感に悩む人もいます。
無視されているわけでもなく、仕事上のやり取りは普通にできていても、場合によっては孤立感を感じてしまうことがあります。
雑談に入りにくい。
昼休みが気まずい。
自分だけ情報が回ってきていない気がする。
周りは自然に助け合っているのに、自分だけ距離があるように感じる。
こうした孤立感は、周りからは見えにくいものです。
だからこそ、「自分が気にしすぎなのかな」と抱え込んでしまいやすいのも事実です。
特に市役所のように、毎日同じ空間で働く職場では、こうした小さな疎外感は積み重なっていきます。
「仕事上の関係だから」と割り切れればいいのですが、小さい部署であればあるほど、そう簡単に割り切れるものではないのが難しいところです。
場合によっては「辞めたい」と思うほど追い込まれることもある
業務量が多い、残業が多い、窓口対応が大変といった悩みは、比較的わかりやすいです。
でも、人間関係というのは、外から見るとわかりにくいものです。
他の部署の同僚や同期の仲間に相談できれば少しは気持ちも和らぎますが、正直なところ、相談しても解決しないのが人間関係の難しいところです。
毎日同じ空間で気を遣う。
嫌われないように振る舞う。
苦手な人の機嫌をうかがう。
そうした状態が続けば、場合によっては追い込まれてきます。
「もう辞めたい」と思ってしまうのも当然かもしれません。
市役所の人間関係がつらくなりやすい一番の理由
市役所の人間関係がしんどくなる理由はいくつかあります。
ただ、その中でも特に大きいのは、狭い世界で長く働き続ける前提があることだと思います。
狭い世界で長く働くから、嫌われないように気を遣ってしまう

市役所は、基本的に定年まで同じ自治体で働き続けることが前提の職場です。
そのため、「ここで嫌われたら、あとあと働きにくくなるかもしれない」などと考えてしまうんですよね。
一度関係が悪くなった相手とも、別の部署で関わるかもしれませんし、今の上司や先輩が、将来また自分の上司になるかもしれません。
そう考えると、どうしても気を遣います。
言いたいことを飲み込む。
本当は嫌でも笑って合わせる。
波風を立てないようにする。
嫌われないように振る舞う。
この「嫌われないように気を遣い続けること」が、市役所の人間関係をつらいものにしていると言っても過言ではありません。
さらに、小さい自治体では、職員の多くが市内や近隣に住んでいるはずです。
出身校、家族、地域活動、知人関係などが、どこかでつながっていることもあります。

中学・高校の先輩だと、学生当時は面識がなくても偉そうにしてくる同僚もいました。
また、親や親戚とつながりのある先輩職員もいるはずです。
そうなると、職場の人間関係を「仕事だけの関係」として割り切りにくくなってしまうんですよね。
職場での評価や噂が、地元のつながりまで広がるのではないか。
家族のことまで知られているから、下手なことはできない。
どこかで誰かとつながっているから、余計なことを言えない。
こんな気持ちで職場の人と接している人もいるかと思います。
もちろん、地域のつながりが安心につながる人もいます。
ただ、人によっては、その社会的距離の近さが大きな負担になり、必要以上に気を遣ってしまうんですよね。
異動で楽になることもあるが、完全には切れない
ありがたいことに、公務員には異動があります。
人間関係がつらいときは、異動は大きな救いになることもあります。
ただ、異動すればすべて解決するとは限らないのが難しいところです。
部署が変わっても同じ庁舎内で顔を合わせることがあります。
他部署との調整で顔を合わせたりすることもあるでしょう。
特に嫌な思いをさせられてきた同僚や上司の場合は、顔を見るだけで苦しくなることもあり得ます。
異動だけですべてが解決するわけではないことには、注意が必要ですね。

異動先でまた嫌な上司の下に配属された同期がいました。
異動は決して良いことばかりでもないんですね。
公務員独特の空気が合わない人もいる

人間関係の悩みに見えて、実は職場全体の空気が合わないこともあります。
特に市役所だと、前例踏襲や波風を立てない雰囲気、「みんなそうしているから」という空気など、特有のものがります。
こうした環境が落ち着いて働けると感じる人もいる一方で、合わない人にとっては息苦しく感じるものです。
特定の誰かが嫌いというより、言いたいことを言いにくい雰囲気や新しいことに挑戦することを嫌がる雰囲気に疲れてしまうんですね。
市役所の空気が合わないからといって、社会人として劣っているわけではありません。
人には、合う環境と合わない環境があるというだけの話です。
限界になる前に、職場の外で気持ちを整理してもいい
公務員の人間関係が苦しいと感じたときでも、すぐに退職や休職を考える必要はありません。
ただ、限界まで我慢し続ける必要はまったくありません。
大切なのは、自分の心が限界になる前に、自分の状態を正しく理解することです。
職場や家族には本音を言いにくい
市役所の人間関係の悩みは、職場の人には話しにくいものです。
評価に響く可能性や、弱い職員だと思われる恐れなど、不安になることが多々あります。
特に小さい自治体では、職員同士の距離が近く、話がどこまで広がるか分からない不安もあります。
また、家族や友人にも、すべてを話せるとは限りません。
公務員特有の人間関係がわからない人には、どうしても伝わらない部分があるからです。

近しい人にこそ、心配をかけたくなくて、話せないこともありますね。
カウンセリングは、限界になってから受けるものとは限らない
私自身、大学で臨床心理学を専攻していたこともあり、カウンセリングはもっと気軽に使っていいものだと思っています。
カウンセリングというと、「心が限界になった人が受けるもの」、「病気になってから行くもの」、「休職や退職を考えるほど深刻な人が使うもの」というイメージがあるかもしれません。
でも本来は、もっと早い段階で、気持ちを整理するために使ってもいいものだと思います。
休職や退職を考えるほどではない。
でも、職場の人間関係がしんどい。
家族や職場には本音を言いにくい。
自分が何に苦しんでいるのか、頭の中でうまく整理できない。
そんな段階で、第三者に話してみることは十分意味があります。
カウンセリングは、何かを決めてもらう場所ではありません。
自分の気持ちを言葉にして、今の状態を少しずつ整理していく場所です。
限界になってからではなく、限界になる前に使ってもいいと、私は思っています。
利害関係のない第三者に話すだけでも整理になる

人間関係の悩みは職場の人にも、家族にも話しにくいものですが、一人で抱え続けるのはもっとつらいものです。
そんなときは、利害関係のない第三者に話してみるだけでも、気持ちが整理されることがあります。
職場の人間関係に悩んでいると、自分の頭の中だけで考え続けてしまいがちです。

「なんであの場面であんなことを言ってしまったんだ」、「こう言えばよかったのに」と、思考が延々と巡って眠れなくなるヤツです。
そんなとき、第三者に話すことで、「自分は仕事内容より、人間関係に疲れているんだ」などと少しずつ整理できるようになるはずです。
最近はオンラインで相談できるカウンセリングサービスもありますので、対面の相談に抵抗がある人でも、最初の一歩として使いやすいかもしれません。
ただし、眠れない、食欲がない、消えたい気持ちがあるなど、心身に強い不調が出ている場合は、オンラインカウンセリングだけで済ませず、医療機関などにつながることが大切です。
「カウンセリングなのか、心療内科なのか、職場の相談窓口なのか分からない」という方は、相談先の違いをまとめた記事もありますので参考にしてください。
体調に出ているなら、早めに相談してほしい
市役所の人間関係がしんどいだけでなく、次のような状態が続いているなら、早めに相談してほしいです。
- 朝、職場に行く前から涙が出る
- 上司や同僚のことを考えるだけで動悸がする
- 休日も職場のことが頭から離れない
- 眠れない
- 食欲がない
- 何も楽しめない
- 消えたい気持ちが出ている
ここまで来ているなら、気合いで乗り切ろうとしないでください。
まずは身近な人、医療機関、公的な相談窓口などにつながることを優先してください。
特に「消えたい」「いなくなりたい」といった気持ちが出ている場合は、一人で抱えないでください。
今すぐ、身近な人や医療機関、公的な相談窓口に連絡してください。
強い不調や緊急性がある場合は、医療機関や公的な相談先につながることが大切です。
公務員の病気休暇・休職の取り方については、病気休暇・休職の取得記事で詳しくまとめています。
今の状況に悩んでいるなら専門家に相談してみよう
多くの市役所職員が「今のままでいいのかな…」と悩んでいるのは事実です。
実際、退職者数は近年増えており、20代・30代の自治体職員(都道府県職員を除く)の退職者数は年間2万人を超えました。

もはや市役所職員の退職は珍しいものではなくなってきているのです。
また、中には退職まではいかずとも、今のキャリアに悩んでいる人が多いのも事実です。
「このまま定年まで働くイメージがわかない」
「自分の強みがわからない」
「今の仕事を辞めたとしても他に何がやりたいかわからない」
「そもそも辞める・辞めないの判断ができない」
こういう思いを抱いてモヤモヤしている方は、ぜひ専門家に相談してみましょう。
自治体職員に特化したキャリア支援サービス「クジラボ」
相談するなら公務員のキャリア相談に特化した専門家です。
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今の状況がつらいと感じている方にカウンセリングはあり
また、今の苦しい胸の内を整理するには、カウンセリングを受けるのも有効です。
たとえば、うららか相談室や、
Kimochi(キモチ)では、公認心理師や臨床心理士に相談することができます。
オンラインカウンセリングなので、カウンセリングルームに通う必要もなく、自宅などから相談可能なのが特徴です。
詳しくは、公務員が仕事の悩みを相談する先をまとめた記事がありますので、そちらも併せてご覧ください。
Q&A
- 市役所の人間関係がしんどいと感じるのは甘えですか?
甘えとは限りません。
市役所では、毎日同じ人と顔を合わせる時間が長くなりがちです。
部署によっては外出や出張も少なく、人間関係の影響を強く受ける職場です。
明確なパワハラがなくても、冷たい言い方、嫌味、孤立感、噂話などが毎日続けば、精神的にかなり消耗します。
「自分が弱い」と責める前に、まずは自分が何に疲れているのかを整理してみてください。
- 異動まで我慢すれば楽になりますか?
異動で楽になることはあります。
上司や同僚が変わるだけで、かなり働きやすくなることもあります。
また、今の部署が合わないだけ、という場合もあります。
ただし、異動しても同じ庁舎内で顔を合わせたり、別の仕事で関わりが続いたりすることがあります。
そのため、「異動まで待てる状態かどうか」を考えることが大切です。
すでに体調に出ているなら、異動を待つだけでなく、早めに相談してください。
- カウンセリングはまだ限界でなくても受けていいですか?
受けていいと思います。
カウンセリングは、限界になった人だけが受けるものではありません。
「まだ休職や退職を考えるほどではないけれど、職場の人間関係がしんどい」
「家族や職場には本音を言いにくい」
「自分が何に疲れているのか分からない」という段階で、気持ちを整理するために使ってもよいものです。
ただし、眠れない、食欲がない、消えたい気持ちがあるなど、強い不調がある場合は、カウンセリングだけで抱えず、医療機関や公的な相談窓口にもつながってください。
- 人間関係が原因で病気休暇や休職はできますか?
人間関係そのものではなく、心身に不調が出ているかどうかが判断材料になると考えたほうがいいでしょう。
眠れない、涙が出る、動悸がする、食欲がない、出勤できないほどつらいなどの状態があるなら、まずは医療機関に相談してください。
医師の診断や職場の制度に基づいて、病気休暇や休職を検討することになります。
無理して出勤し続けることだけが正解ではありません。
体調に出ているなら、早めに専門家につながることを考えてください。
- 市役所を辞める前に何を考えればいいですか?
まずは、疲れ切った状態で退職を決めないほうがいいです。
退職を考える前に、次のことを整理しておくとよいです。
- 今のつらさは異動で軽くなる可能性があるか
- 病気休暇や休職を使う必要はないか
- 転職先や収入の見通しはあるか
- 家族や信頼できる人に相談できているか
退職は大きな選択肢です。
ただし、心身が壊れそうな状態なら、退職も自分を守る手段になります。
一人で抱えず、相談しながら考えてください。
まとめ:狭い世界で一人で抱え込まなくていい

市役所の人間関係がつらいときは、「自分が弱いだけなのかな」と思ってしまうかもしれません。
でも、毎日同じ空間で気を遣いながら働き続けるのは、それだけで大きな負担なのは間違いありません。
市役所は、狭い世界で長く働く職場です。
部署異動はあっても、同じ自治体の中で人間関係が続くこともあります。
きつい先輩や上司に当たれば、それだけで毎日が苦しくもなります。
また、嫌われないように気を遣い続けることも、大きな疲れになります。
もし今、人間関係がつらくても、すぐに辞める必要はありません。
職場や家族に話しにくいなら、利害関係のないカウンセラーなどの第三者に話してみるのも一つの方法です。
一人で抱え込まず、自分の気持ちを整理してみてくだいね。
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