公務員の休暇といえば土日・祝日や有休ですよね!

これらの「誰でも取得できる休暇」については、公務員はどれくらい休みがあるか解説した記事で紹介しました。

公務員は年間どのくらい休める?市役所職員の休日・有休・夏季休暇を解説

今回は視点を変えて、結婚や出産、介護など、人生の節目に使える特別休暇を紹介します!

福利厚生の意味合いも強い特別休暇は、実にさまざまなものがあります。

自治体によって休暇の有無や、使うための条件が違うこともありますが、中には意外な休暇があったりもします。

なお、「特別休暇」に分類される休暇は自治体によって違いますが、この記事では細かな分類にはこだわらず、特定の条件を満たしたときに利用できる休暇を中心に紹介していきます。

自分が働いている自治体や受験予定の自治体について知りたい場合は、条例や規則も確認してみてくださいね。

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公務員には有休とは別に「特別休暇」がある

公務員には、旅行や私用など、理由を問わず利用できる有給休暇とは別に、決められた条件に当てはまる場合に利用できる特別休暇があります。

まずは、どんな休暇があるのか、表で確認してみましょう。

分類特別休暇の例
季節夏季休暇
結婚・家族結婚休暇、忌引・服忌休暇、父母の追悼など
妊娠・出産出生サポート休暇、産前・産後休暇、配偶者出産休暇、育児参加休暇など
子育て子の看護等休暇、育児時間など
介護短期介護休暇
健康・治療生理日休暇、骨髄等ドナー休暇など
社会貢献ボランティア休暇、社会貢献活動休暇
災害住居の被災、出勤困難、退勤時の危険回避など
公的な用事公民権行使、裁判員・証人等としての出頭
長期勤続リフレッシュ休暇、長期勤続休暇など

こうして並べてみると、意外と多いですよね。

結婚や忌引くらいは知っていても、「災害で出勤できないときの休暇」や「骨髄ドナーになるための休暇」まで知っている人は少ないはずです。

このほか、自治体独自の休暇もあるため、実際はさらに種類が増えます

では、それぞれどのような時に使うことができるのか見ていきましょう。

夏に休める「夏季休暇」

まずは身近なところでいうと、夏季休暇があります。

前の記事でも紹介しましたが、夏季休暇も有休とは別の特別休暇として用意している自治体が多いです。

国家公務員の場合は、原則として7月から9月の間に3日、地方公務員は自治体によってさまざまです。

たとえば、私が勤めていた自治体では、7月1日から9月30日までの間に5日の夏季休暇を取ることができました。

日数だけでなく、取得できる期間も自治体によって違います。

公務員は年間どのくらい休める?市役所職員の休日・有休・夏季休暇を解説

結婚や家族に関する特別休暇

人生の大きなイベントに合わせて使える休暇もあります。

代表的なのが、結婚休暇と忌引休暇です。

では、それぞれ確認していきましょう。

結婚すると「結婚休暇」が使える

公務員には、職員本人が結婚するときに使える結婚休暇があります。

国家公務員の場合は、決められた期間内に連続5日の休暇を取得できます。

土日や有休とうまく組み合わせれば、結婚式だけでなく、新婚旅行なども行きやすいですね!

ただし、結婚休暇についても自治体によって、「何日取れるか・いつまでに使う必要があるか・連続して取る必要があるか」などは違いがあります

結婚すると、氏名変更や扶養、共済など、いろいろな手続きが出てきます。

結婚後はやることが多いので、休みが多いと便利ですよ!

家族が亡くなったときの「忌引・服忌休暇」

家族や親族が亡くなった場合には、忌引休暇や服忌休暇を取得できる制度があります。

休める日数は、亡くなった人との関係によって違います。

たとえば国家公務員の場合、父母が亡くなったときは7日の範囲内で休暇を取れます。

同じように、配偶者、祖父母、兄弟姉妹などについても、それぞれ日数が決められています。

こうした休暇は突然必要になることも多いです。

働き始めたら、一度くらい自分の職場の制度を確認しておくと安心ですね。

父母の追悼のために使える休暇もある

少し珍しい制度として、父母を追悼するときに使える休暇もあります。

国家公務員には、父母の追悼行事などのために1日の休暇を取得できる制度があります。

自治体によっては「祭日休暇」など、別の名称で設けられているかもしれません。

たとえば横浜市では、親族の祭日の場合に使える「祭日休暇」が特別休暇として用意されています。

こういう休暇は、現役職員でも知らない人が多そうですね。

妊娠・出産に関する特別休暇

妊娠や出産に関する制度は、公務員の休暇の中でもかなり充実しています。

種類が多いので、ここでは代表的なものを紹介します。

不妊治療に使える「出生サポート休暇」

不妊治療で通院するときなどに使える休暇が「出生サポート休暇」です。

国家公務員は、1年間に5日の範囲内で取得でき、体外受精や顕微授精に関する通院などの場合には、さらに5日が加算されます。

自治体によっては、「出生サポート休暇」「出生支援休暇」など、別の名称で同じような休暇制度があるかもしれません。

仕事をしながら治療を続ける人にとっては、大切な制度ですね。

産前・産後にも休暇がある

産前・産後に休みを取る、いわゆる「産休」です。

国家公務員の場合、産前は原則として出産予定日の6週間前から多胎妊娠の場合は14週間前から休暇を取得できます。

出産後は、出産日の翌日から8週間が産後休暇になります。

ちなみに、産前・産後休暇と育児休業は別の制度です。

産休が終わったあとに、育児休業を取るケースが多いですね。

配偶者が出産するときにも休暇がある

出産に関する休暇は、出産する本人だけではなく、夫である男性にも用意されています。

国家公務員では、妻の出産に伴って2日の休暇を取れるほか、男性職員が育児に参加するための休暇も5日あります。

地方自治体でも、配偶者出産休暇や育児参加休暇などが設けられています。

私も子どもが生まれるときは、この制度を使って仕事を休みました。

出産・育児に関する休暇は、男性でも取りやすい雰囲気がありました!

自治体独自の妊娠関係の休暇もある

自治体によっては、さらに細かな制度があります。

たとえば東京都には、妊娠中の体調不良で勤務が難しいときに使える「妊娠症状対応休暇」があります。

ほかにも、早期流産休暇母子保健健診休暇通勤ラッシュを避けるための妊婦通勤時間なども設けられています。

こうして見ると、妊娠・出産に関する制度は自治体によってかなり細かく作られていることが分かりますね

妊娠・出産については、休暇以外にも育児休業や共済の給付などがありますので、別の記事で詳しくまとめる予定です。

子育てに使える特別休暇

子育てをしていると、「朝起きたら子どもが熱を出していた」とか、「保育園から急に電話がかかってきた」なんてことは日常茶飯事です。

そんなときに利用できるのが、子の看護等休暇です。

国家公務員では、対象となる子どもが1人なら年5日2人以上なら年10日まで利用できます。

私の勤めていた自治体にも制度はありましたが、かつてはイマイチ使いにくい制度だなと感じていました。

ただ現在は、子どもの病気やけがだけでなく、「予防接種・学級閉鎖などへの対応・入園・入学などの式典への参加」などにも利用できる、とても使い勝手のいい制度になっています

ただ、対象になる子どもの年齢は自治体によって違います。

国家公務員は小学校3年生修了までですが、それより対象年齢を広くしている自治体もあります。

このあたりは、自治体による違いがかなり出やすい部分ですね。

家族の介護に使える特別休暇

親や配偶者などの介護が必要になった場合にも、休暇制度があります。

まず知っておきたいのが短期介護休暇です。

通院の付き添いなどには「短期介護休暇」

国家公務員の場合、要介護状態にある家族の介護や世話をするため、年間5日まで休暇を取れるのが「短期介護休暇」です。

  • 家族の通院への付き添い
  • 介護サービス利用のための手続き
  • 一時的な介護

などが必要なときに利用するイメージですね。

私が勤めていた自治体にも短期の介護休暇があり、年間5日、要介護者が複数いる場合は10日以内とされていました。

私が使うことはありませんでしたが、「この制度ができて助かった」という先輩職員が意外と多かったのは印象的です。

「介護休暇」と「介護時間」は別

名前が似ているので少しややこしいのですが、「短期介護休暇」「介護休暇」「介護時間」はそれぞれ別の制度なんです。

短期介護休暇は数日程度の対応向け

一方で、長期間介護する必要がある場合は、介護休暇や介護時間を利用することになります。

介護についても制度が複雑なので、今後別の記事で詳しくまとめたいですね。

病気やけがで休むときの「病気休暇」

特別休暇として扱うかは自治体によって異なりますが、病気やけがで療養が必要になったときに使える休暇もあります。

風邪などの短期間で治る病気は有休を使って休むことが多いですが、長期の療養が必要な場合は病気休暇を使って仕事を休むことができるのです。

多くの自治体では、病気休暇を使って最長90日まで休むことができます。

また、病気休暇の期間だけで症状が改善しない場合は、加えて「病気休職」を取ることもできます

病気やけがで長期間休むことができるのは、いざという時にも安心ですね。

「病気休暇」と「病気休職」は中身が違いますが、ちょっと複雑なところもあるので、ここでは詳しい説明は省きます。

病気休暇・病気休職の制度やそれぞれの違いについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

メンタル不調時の病気休暇・病気休職の制度と取り方について解説!

健康や治療に関する特別休暇

病気になった場合には病気休暇がありますが、それとは別に、健康上の事情に合わせた休暇もあります。

このあたりは自治体によりさまざまなので、ぜひ自分が働いている自治体や受験予定の自治体の制度を調べてみてください。

生理日の勤務が難しい場合の休暇

自治体によっては、生理のため勤務することが難しい場合に使える休暇があります。

「生理日休暇」「健康管理休暇」などの名称で制度化されています。

骨髄ドナーになるための休暇もある

少し珍しい休暇としては、骨髄や末梢血幹細胞のドナーになる場合の休暇があります。

登録や検査、入院などに必要な期間を休むための制度で、国家公務員だけでなく、地方自治体でも制度化されていることがあります。

国家公務員では、骨髄や末梢血幹細胞の提供者になる場合、必要と認められる期間について特別休暇を取得できます。

「こんな特別休暇もあるのか」と思いますよね。

公務員の特別休暇には、本人や家族のためだけではなく、社会的な活動を支える制度もあるということですね。

ボランティアや社会貢献に使える特別休暇

ボランティア活動をするために仕事を休める制度もあります。

国家公務員では、一定のボランティア活動について、年間5日の範囲内で特別休暇を取得できます。

地方自治体でも、「ボランティア休暇」「社会貢献活動休暇」などの名称で制度を用意しているところがあります。

私がいた自治体では、災害被災者の支援や福祉施設などでの活動を対象として、1年間に5日の範囲内でボランティア休暇を利用できました。

とはいえ、「ボランティアなら何でもOK」ではありません。

対象になる活動が決まっていたり、活動計画などの書類が必要になったりします。

災害で出勤できないときにも休暇がある

台風や大雪、地震などが起きたときに、状況に応じて使える休暇があります。

たとえば次のようなケースで使うことが想定されています。

  • 自宅が災害で被害を受けた
  • 電車などが止まって出勤できない
  • 帰宅すると危険がある

国家公務員の場合、自宅が地震や水害などで被害を受けた場合には、原則として連続7日の範囲内で休暇を取れる制度があります。

また、災害や交通機関の事故などで出勤すること自体が難しい場合には、必要な期間が休暇になることもあります。

大雪や台風で公共交通機関が大きく止まったケースなどをイメージすると分かりやすいですね。

もちろん、「電車が10分遅れたから今日は特別休暇!」という制度ではありませんので、実際の取り扱いについては、自治体の規定などに従ってください。

選挙や裁判員など公的な用事に使える特別休暇

自分の用事ではなく、公的な権利や義務のために仕事を休まなければならないこともあります

そんなときに使える休暇もありますので、見ていきましょう。

選挙権などを行使するときの休暇

選挙権など、公民としての権利を行使するときに使える特別休暇が「公民権行使休暇」です。

たとえば、投票できる時間と勤務時間が重なっている場合などに、投票所に行く時間だけ公民権行使休暇を使うイメージです。

とはいえ、期日前投票もできる現在、あまり使うことのない制度かもしれませんね。

裁判員・証人などとして出頭するときにも使える

裁判員や証人、参考人などとして裁判所などに出向くときのための休暇もあります。

裁判員に選ばれると、7日前後は裁判所に通うことになるようなので、特別休暇として休めるなら安心ですね。

また、2026年には国家公務員の制度が拡充され、犯罪被害者等が「被害者参加制度」に基づいて裁判所などへ出頭する場合も対象になっています。

特別休暇の制度も、社会の変化に合わせて少しずつ変わっているということですね。

長く働くと「リフレッシュ休暇」がもらえる自治体も

個人的に面白い制度だと思っているのが、長く働いた職員向けの休暇です。

自治体によって「長期勤続休暇」「リフレッシュ休暇」「永年勤続休暇」など呼び名は違いますが、10年や20年など、節目ごとにまとまった休みをもらえる制度です。

自治体によって、「何年ごとに対象になるか・何日休めるか」は違いますし、そもそもリフレッシュ休暇がない自治体もあります。

私は勤続10年目に3日間のリフレッシュ休暇をもらいました。

3日連続で取得しなくてはいけない設計で、「まとまった休みを取ってね」という優しさを感じました。

特別休暇は有給?それとも無給?

条件次第で休暇がもらえることは、今までの内容からわかってもらえたと思います。

では、これらの休暇をとった場合、その間の給料はどうなるのでしょうか。

実は、すべての特別休暇が有給とは限らないのです。

もちろん、結婚休暇・忌引休暇・看護等休暇など、ほとんどの特別休暇は有給です。

ただ、中には一部の特別休暇が無給または給与減額になる自治体もあるのです。

また、注意したいのは会計年度任用職員です。

会計年度任用職員は、正規職員とは有給・無給の扱いが違う自治体も多いです。

このあたりは、各自治体の運用をチェックしたいですね。

自治体によって特別休暇はけっこう違う

ここまで何度か書いているように、地方公務員の特別休暇は、自治体によってかなり違います

特別休暇に含まれる休暇の種類や名称、日数などなど…

もちろん、有給・無給についても違いがあります。

気になる自治体の特別休暇を調べるには

すでに市役所などに勤めているなら、自分の勤める自治体の人事課などで確認するのが一番早いです。

自治体によっては、特別休暇などをまとめた一覧表を作っていることもあります。

ほかの自治体が気になったり、これから試験を受けたい自治体の特別休暇を調べるなら、ネットで検索してみましょう。

「⚪︎⚪︎市 職員 特別休暇」「⚪︎⚪︎市 職員 休暇 条例」「⚪︎⚪︎市 職員 勤務時間 休暇 規則」などで検索すると、自治体の条例や規則が出てくるはずです。

採用ページでは、「有休20日、夏季休暇あり」くらいしか紹介されていなくても、規則まで見てみると、「こんな休暇もあるんだ!」と驚くような制度が見つかるかもしれません。

就職先として自治体を調べるとき、休暇制度まで見比べるのも面白いですよ!

Q&A

Q&Aを開いて確認する
特別休暇を使うと有休は減りますか?

基本的には減りません。

有給休暇と特別休暇は別の制度なので、たとえば結婚休暇を5日使ったからといって、有休が5日減るわけではありません。

せっかく特別休暇の対象になるのであれば、有休ではなく特別休暇を使いたいですね。

ただし、特別休暇として認められる条件は自治体ごとに決められています。

特別休暇はすべて有給ですか?

結婚休暇や忌引休暇、子の看護等休暇など、代表的な特別休暇は有給としている自治体が多いです。

ただし、すべての特別休暇が有給とは限りません

自治体によっては、休暇の種類によって、無給になったり、給与が減額されたりする場合もあります。

また、会計年度任用職員は正規職員と取り扱いが違うこともあるので、勤務先のルールを確認しておきましょう。

新人でも特別休暇を使えますか?

基本的には、休暇を使うための条件を満たしていれば、新人でも利用できます

たとえば入庁した年に結婚したからといって、「新人だから結婚休暇は使えない」ということはありません。

ただし、休暇の種類や任用形態によって条件が設けられている場合もあります。

分からないときは、人事担当などに確認してみてください。

特別休暇を取るときに証明書は必要ですか?

休暇によっては書類が必要になります。

たとえば、妊娠・出産、介護、ボランティア活動などでは、休暇の条件を満たしていることを確認するために書類の提出を求められるでしょう。

忌引休暇なども、自治体によって申請方法が決められています。

必要な書類は休暇ごとに違うので、自治体のルールを確認しておきましょう。

特別休暇は翌年に繰り越せますか?

特別休暇は、有休のように翌年へ繰り越して貯めていく休暇ではありません。

たとえば夏季休暇なら決められた夏の期間、結婚休暇なら結婚前後の決められた期間というように、それぞれ使える時期が決まっています

その期間に使わなければ、そのまま使えなくなるケースが一般的です。

「今年使わなかったから、来年に取っておこう」という使い方は基本的にはできないと考えておきましょう。

まとめ:公務員には意外とたくさんの特別休暇がある

今回紹介してきたように、公務員には思いのほかたくさんの特別休暇があります。

しかも、今回紹介したものだけでなく、自治体によってはさらに休暇の種類があったりもします

中には意外な理由で休めるものもあるので、気になる自治体の休暇を調べてみるのも面白いですよ。

公務員の休暇制度が充実していると言われるのは、有休の日数だけでなく、これら「人生の場面に合わせた制度」が用意されているからでもあります。

また、結婚や出産、子育てに関することなどは、休暇だけでなく、手当や給付、休業制度など、そのほかの福利厚生制度も関係してきます

利用できる制度をしっかりと把握して、条件がそろったときは確実に使ってくださいね!

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