市役所の窓口業務は大変ですね。

特にお金が絡む窓口や福祉関係の部署は本当に大変!

窓口部署にいると「内部向けの部署に異動したいな」と思うのも当然です。

しかし内部向けの管理部署は異動希望者も多く、なかなか異動希望が通らないのが現実です。

では、どうしたら管理部署に異動できるのか。

その答えの一つが「内部事務に適した資格を持つ」ことです。

そこで今回は管理部署で使え、かつ取得もしやすい高コスパの資格を4つ紹介します。

これから紹介する資格をひとつでも持っておくと、内部向けの部署に一歩近づけるはずですよ!

評価されやすい資格の条件

窓口のない部署で評価される資格とはどのようなものでしょうか。

それは、その部署の業務で役立つ資格です。

もちろん、「その部署の仕事に特化した資格」であれば最高ですが、特定の管理部署に特化した資格は多くはありませんし、またそのような資格は取得するまでのハードルが高いものです。

一般職の異動に関して言えば、そこまでハードルの高い専門的な資格は必要ありません。

管理職が「彼・彼女にはこの部署の仕事に適性がある」と、理事者たちに矛盾なく説明できる理由を、「資格を通して」与えてあげればいいのです。

そこでおすすめなのが、内部向けの部署で汎用的に使え、かつ「やりたいことが見える」資格です。

もうひとつ、市役所で評価されやすい資格の特徴として、同僚職員が持ち合わせていない・持っている職員が少ない資格も挙げられます。

ただ、市役所では自発的に資格を取得する熱意のある人は限られるため、資格を持っているだけで一歩も二歩もリードできるのです。

「社会福祉士」など、窓口部署には「特化した資格」があります。

これらは業務の一環として取得可能であることも多いです。

おすすめの資格4選

1.ビジネス実務法務検定2級

ビジネス実務法務検定2級

ビジネス実務法務検定は東京商工会議所が主催する、実務で使う法律を「運用目線」で学ぶ検定です。

1級から3級までありますが、おすすめしたいのは2級

2級は運用前提の試験内容のため、基礎知識を応用して活用できる力が試されます。

それでも、仕事をしながら1~2か月勉強すれば取得できるレベルの内容なので、決して難易度が高いものではありません。

2級の出題範囲
  • 企業取引の法務(契約・売買・請負 など)
  • 債権の管理と回収
  • 企業財産の管理・活用(知財・不動産 等)
  • 企業活動に関する法規制(独禁・下請・景表・消費者)
  • 会社法(組織・機関)/労働関連/紛争解決 ほか

市役所でビジネス実務法務検定を活かせる部署

ビジネス実務法務検定が活かせる部署は多岐にわたります。

特に強みになるのが契約課などの契約関係の部署

庁内の契約関係を一手に引き受けるため、ビジネス実務法務検定の内容がドンピシャでハマります

相談事を持ちかけられることも多く、この資格の知識があるとかなり頼られることになると思います。

また、法務・総務関係の部署、広報関係の部署、さらには内部監査関係でも役立ちます

これらの部署に異動希望をする場合、ビジネス実務法務検定の資格を持っていることが強みになるはずです。

私が契約部署に所属していたときは、契約後の債務不履行に対する相談など、契約行為にとどまらない相談が多かったです。

ビジネス実務法務検定2級では、市役所の土台となる法的な内容だけでなく、実際に問題が起こった後の対応についても学ぶので、これが相当活きると思います。

試験方式と試験の時期

試験は2通りの方法で受験することができます。

おすすめは自宅から受験ができるIBT(Internet Based Testing)方式

ただし、タブレット端末やスマホは使用できません。

試験方式
  • 自宅などで自身のパソコンから受験するIBT方式
  • テストセンターで受験するCBT方式

試験は年2回、春と秋に実施されています。

令和7年度の申込期間・試験期間は以下のとおりです。

申込期間試験期間
5/16~5/276/19~7/7
9/19~9/3010/23~11/10
※2級・3級の試験日程。1級は別になります。

資格の取得方法

基本的な勉強法は公式テキストと公式問題集でOKです。

”契約→債権管理→会社法”の順番で勉強していくと効率的に理解することができるはず。

動画を視聴しながら、手軽に学習を進めたい方には資格スクールがおすすめです。

たとえば、「オンスク.JP」には月額プランで70講座以上受講し放題というおもしろいサービスがあります。

この中にはビジネス実務法務検定2級の講座もあります。

もうひとつ、おすすめなのが一般財団法人 全日本情報学習振興協会が運営するSMART合格講座

約10時間の動画で構成され、効率的な勉強が可能です。

まずは無料体験からスタート!/
プロの講師陣による分かりやすい講座動画が見放題!

合格基準の70%以上をクリアできそうな段階まで来たら、受験してみましょう。

受験は東京商工会議所のサイトから申し込みをしてください。

2.日商簿記2級

日商簿記2級

日商簿記検定は日本商工会議所が主催する、経営活動を記録・計算・整理して、経営・財政状態を明確にする技能を計る検定です。

ビジネス実務法務検定と比べるとややハードルは高い資格ですが、簿記の読み書きや予算決算を説明する能力を証明できる財務に特化した資格として有効です。

市役所の仕事であれば3級でも十分有効ではあるものの、ここでおすすめしたいのは2級

というのも、2級では商業簿記だけでなく工業簿記も扱うためです。

工業簿記を扱えるということは上下水道関連の部署だけでなく、自治体が運営する病院やごみ処理施設など、公営企業会計を導入している出先機関への異動にも強みとして利用できるのです。

簿記を触ったことのない方でも、2~4か月勉強すれば十分合格できる知識が身に付きます。

2級の出題範囲

商業簿記(外部取引と決算)

  • 記帳〜決算:仕訳 → 試算表 → 決算整理 → 財務諸表
  • 売買・債権債務:現預金/売掛・買掛/収益認識の基礎
  • 資産・負債・純資産:有価証券・固定資産・引当金・税金の基本処理
  • 個別論点:リース/外貨/本支店会計

工業簿記(原価計算の基礎)

  • 原価の集計:材料・労務・経費+製造間接費の配賦(部門別)
  • 計算手法:個別原価計算/総合原価計算/標準原価計算
  • 活用:差異分析/製造原価報告書/CVP(損益分岐点)

市役所で日商簿記を活かせる部署

先に触れたように、日商簿記2級を持っていると、公営企業会計を導入している部署への異動に強みがあります

また、市役所の花形である財政部署に異動するうえで、簿記の資格ほど説得力がある資格は他にはありません

予算書・決算書の作成や伝票整理だけでなく、各部署との調整などでも専門的な会話がある程度できるようになります。

さらに見積書の内訳を理解できることから、契約関係や施設管理部署でも日商簿記2級の知識は強みになります。

試験方式と試験の時期

試験は2通りの方法で受験することができます。

おすすめは随時受験ができるネット試験です。

試験方式
  • テストセンターで受験するネット試験(CBT方式)
  • 会場で受験する統一試験(ペーパー方式)

試験はCBT方式は随時実施、ペーパーの統一試験は年3回とされています。

令和7年度の申込期間・試験期間は以下のとおりです。

申込期間試験期間
ネット試験随時テストセンターごとに異なる
日本商工会議所HPを参照ください
統一試験試験1か月前頃から
※ネット申込・窓口申込で異なる
6/8、11/16、2/22
※2級・3級の試験日程。1級は別になります。

資格の取得方法

学習範囲が広範なので、資格スクールで効率的に学習することをおすすめします。

まずは分量が多く、配点も大きい商業簿記を学習し、その後に工業簿記を学んでいきましょう。

一番のおすすめはCPAラーニングの講義動画での勉強です。

これ、驚くべきことに完全無料なんです!

勉強の足掛かりとして利用されることをおすすめします。

簿記3級・2級・1級すべて学べて無料!/CPAラーニング

次におすすめしたいのは「ネットスクール」「スタディング」

簿記2級は講義だけでなく、自分で手を動かして学ぶ必要があるため、「スキマ時間の有効活用」+「演習問題の充実」が重要です。

この2つのサービスはこの基準をしっかりクリアしています。

ネット試験(CBT方式)の直前答練提供あり!/ネットスクール
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もちろん、まずは書籍を購入して大まかな内容を把握してみるのもアリです。

全体的な内容がわかれば、講義を受けたときの吸収率も高まりますし、一方で「やっぱり別の資格を取ろう」と判断することも可能です。

演習を2~3回こなしたら、実際に受験申し込みをしましょう。

申し込みは日本商工会議所のサイトから行ってください。

3.文書情報管理士2級

文書情報管理士2級

文書情報管理士は文書・帳票・資料などの書類の最適な電子保存の仕方を理解するもので、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認定する資格試験です。

上級・1級・2級とありますが、おすすめは2級

2級を取得できると、文書の一生(作成→保存→活用→廃棄)を安全に回す運用を設計・実装できるようになります。

1~2か月勉強すれば取得できるレベルの内容なので、決して難易度が高いものではありません。

2級の出題範囲
  • ライフサイクル運用:作成→受入→保存→活用→廃棄/分類・件名表・採番・台帳
  • 保存年限と終局処理:年限設定/評価・選別/廃棄・移管・引継ぎ
  • 電子化・長期保存:スキャン要件(解像度・PDF/A・OCR・タイムスタンプ)/メタデータ/真正性・見読性・可用性
  • 権限・証跡・セキュリティ:RBAC(閲覧/編集/持出)/アクセスログ/バックアップ・BCP/インシデント初動
  • 法令・規格の位置づけ:公文書管理法、個人情報保護、マイナンバー、電子署名、電子帳簿保存法、ISO/JIS(ISO 15489/30301 等)
  • 委託・検収・運用定着:仕様書要件・SLA/成果物の検収項目(命名・画質・索引)/教育・チェックリスト・自己点検

市役所で文書情報管理士を活かせる部署

文書情報管理士が活かせる部署は多岐にわたります。

特に強みになるのが文書課などの文書を管理する部署

文書管理のエキスパートとして歓迎される資格です。

特に近年は文書の電子化が進んでおり、既存の紙文書の電子化も進められています。

そのような中で、文書情報管理士の資格を持っていれば、文書の電子化を推進するリーダーとして頼られる存在になります

その他、総務部署や情報管理部署でも有効な資格になります。

試験方式と試験の時期

試験は全国の会場においてCBT方式(Computer Based Testing)で実施されます。

試験は夏と冬の年2回、それぞれ約40日間の試験期間中に自身のスケジュールに合わせて受験することができます。

令和7年度の申込期間・試験期間は以下のとおりです。

申込期間試験期間
6/20~8/287/20~8/31
11/20~2/712/20~2/10

資格の取得方法

基本的な勉強は、JIIMA検定試験委員会編集の参考書をベースに行います

テキストは「文書情報マネジメント」1冊で十分でしょう。

また公式サイトには、過去の検定試験で実際に出題された問題が30問公開されています。

出題方法や回答方法を知る上でも、「Web版模擬試験」を行うようにしてください。

必須ではありませんが、試験直前には受験対策セミナーが実施されます。

受講料はかかりますが、約2週間動画が見放題のセミナーなので、必要に応じて受講するのもアリですね。

試験の申し込みはCBTS受験者専用サイトから、試験1か月前から可能です。

4.統計検定2級

統計検定2級

統計検定は日本統計学会が公式に認定する全国統一試験です。

1級・準1級・2級・3級・4級と5つのクラスに分かれていますが、おすすめは2級

2級は大学の教養課程レベルの基礎統計学の知識を問う内容で、実際の統計実務に活用できるものです。

統計を学んだことのない方でも2~3か月勉強すれば取得できるレベルの内容です。

ただし、数学が苦手な方は別の資格を目指した方が精神的に楽かもしれません。

2級の出題範囲
  • 記述統計(平均・分散・相関)
  • 確率・分布(正規・t・χ²・F、標本分布)
  • 推定と検定(母平均/母比率・p値・過誤)
  • 回帰・実験計画(単回帰、分散分析の基礎)
  • データ収集(標本調査、実験設計の原則)

市役所で統計検定を活かせる部署

市役所でアンケート調査を取る機会は多いため、統計検定の能力が活きる場面も多いです。

大きな調査に関しては委託することがほとんどですが、統計検定の資格をアピールすることで、委託先に丸投げにならない安心感を提供することができます。

たとえば企画課などの、市の企画・政策に関連する部署で強みになります。

企画・政策に関する部署は自治体の花形部署です。

統計という客観的データから施策を立案できる能力は、今後の行政マンとしても未来も形作ってくれるかもしれません。

また、統計課など統計関係を一手に取り扱う部署でも有効な資格です。

自治体では国勢調査など、国の調査を行うことも多く、「統計検定2級を持っている」ことが配属に影響してもおかしくありません。

直接統計検定の知識が活用できるわけではない部署でも、「統計の資格」は自治体において非常に強い響きになります。

試験方式と試験の時期

試験は全国の会場においてCBT方式(Computer Based Testing)で実施されます。

試験は各地の試験会場で随時実施されているので、会場の空き枠から好きな日時を選んで受験することができます。

資格の取得方法

統計がさっぱりわからない方は資格講座を受講するのがおすすめです。

おすすめは総再生時間が1,499分もある「e-JINZAIラボ」の統計検定®2級講座

根底からしっかり学ぶため濃密ですが、覚悟も必要です。

もうひとつおすすめなのが、Udemyの「《みやもととうけい》統計検定®2級対策講座」

リーズナブルに2級合格に必要な情報をしっかり動画で学ぶことができます。

97本・1499分の動画でしっかり学べる!/e-JINZAIラボ 統計検定®2級対策講座
登録3.5万人超ベストセラー版!Udemy 《みやもととうけい》統計検定®2級対策講座

一方、大学である程度統計を学んでいる方は、公式のテキストと問題集で学んでいくのがいいでしょう。

その上で、理解しにくい内容が出てきたら、BellCurveの「統計WEB」の「統計学の時間」で該当部分を学んでいくのが経済的にもおすすめです。

動画はありませんが、「統計WEB」は無料で統計を学ぶことができる、ありがたいサイトです。

試験の申し込みはオデッセイコミュニケーションズのサイトから行ってください。

異動希望調査で思いを伝えよう

異動希望調査の面談中の男性

資格を取得したら、しっかりと異動希望でアピールしましょう。

調査票には資格を書く欄があるはずなので、忘れずに記入してください。

また、異動希望理由には資格と関連付けて記入することで、「なぜこの部署への異動を希望するのか」を説得力をもって書くことができるはずです。

上司との面談においてもアピールは欠かせません。

資格を取得したことを伝えることで、「ただの異動願望」から「スキルアップを伴うポジティブな異動希望」と捉えてもらえるでしょう。

資格という「見える根拠」があると、上司も異動調査面談の報告がしやすく、異動希望が叶う可能性が高くなります。

資格だけで異動は決まらない

しかし、資格を取得したからといって確実に希望部署に異動できるとは限りません

内部向けの部署や窓口部署など、バランスよく経験してほしいという上層部の考えもあり、希望とは異なる部署に配属されることもあるでしょう。

また、日頃の仕事への取り組み姿勢も考慮されますので、今の仕事もしっかりとこなしていく必要もあります

とはいえ、資格を取得し、自ら積極的にスキルアップをしている姿勢は確実に評価されます

総合的に「あなたのキャリアビジョン」を考えたうえで、あなたが希望しない配属先への異動もあるでしょうが、腐らずに仕事をすることで、次の異動で希望が叶う道につながっていくはずです。

Q&A

Q&Aを開いて確認する
情報セキュリティマネジメント(SG)やMOS Excel Expertは取得しなくていいですか?

非常に良い資格ですが窓口部署でも活用できるため、異動の決め手になるかはわかりません

まずは4選の中から一つ選び、余力でSGやMOSを足すと効率的でしょう。

勉強時間が取れません。

週3×各30分から1時間の勉強でOKです。

独学よりも資格予備校のカリキュラムを活用すれば、少ない時間で効率よく勉強することができます

通勤時間や家事の隙間時間に、スマホで動画を垂れ流し視聴をするだけでもかなりの知識を得ることができます。

40代以降でも間に合いますか?

十分に間に合います。

むしろ今までの実務経験があるので、自身のキャリアビジョンを明確にするためにも一つの資格に焦点を当ててみるのがいいでしょう。

今回紹介している4選は実務経験と相乗効果が期待できる資格なので、年齢との相性が良いです。

また、年齢が高くなればなるほど、自ら資格を取得する人は少なくなります。

その点でもほかの職員との差別化を図ることができます。

文系でも統計検定など、数学的な資格は取得できますか?

問題ありません。

学校の授業ではなく、実務で使える資格なので、基本的には電卓やExcelを使えることの方が重要になります。

ただし、数学が大の苦手だったという方にとっては取り組みにくい部分があるのも事実なので、その点でも資格予備校などを活用し、かみ砕いて理解できる体制を整えることをおすすめします。

まとめ:資格はあなたの未来につながる

窓口部署から内部向け部署への異動は、多くの職員が希望する競争が激しいルートです。

その中から一歩抜け出すためにも、資格は強い武器になります

今回紹介した4つの資格は、自治体の試験に通ってきたあなたにとって決して難易度が高すぎることはありません。

異動はあなた自身の市役所キャリアにダイレクトにつながる部分です。

ただ異動希望先を伝えるのではなく、資格という「見える根拠」を提示することで、あなた自身が本気で異動希望を持っていることを上司に伝えてみてくださいね。

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