市役所の現場は忙しく、心身の不調を抱えやすい環境です。
「明日、行けないかもしれない」——苦しい気持ちになることもあるはずです。
そんなときは無断欠勤は避け、まず“連絡”を。
出勤ができなくても大丈夫。
仕事を休んで心身の状態を整える制度が公務員にはあるのです。
この記事では、無断欠勤を避けるための初動、病気休暇と病気休職の違い、復職までの具体ステップを解説していきます。
あなた自身を守れるのはあなただけです。
最後までご覧いただき、安心して療養を検討してくださいね。
メンタル不調で休職する職員が増えている

地方公務員の長期(1か月以上)の病気休暇・休職は増加傾向で、その主な理由はメンタル不調です。
地方公務員安全衛生推進協会の調査によると、「精神及び行動の障害」が長期病休者数の66.8%を占め、10年前の約1.9倍の規模に膨らんでいます。

1,000人規模の自治体で、約23人がメンタルの不調による長期病休をしている状況です。
これは実際に病休を取られた方の数字であり、この裏にはメンタルの不調を抱えつつ、無理をしながら勤務している地方公務員が多くいることも事実です。
今や地方自治体はメンタル不調を生じやすい職場といえるわけで、メンタルを病んでしまうことは決して特殊なことではないのです。
つらくても無断欠勤はダメ!その理由とは

メンタルを崩すと、どうしても市役所に足が向かなくなります。
状態によっては、休暇の連絡をすることさえつらいのもよくわかります。
しかし、どんなにつらくても無断欠勤だけはしないでください。
これはあなた自身を守るためにも必要なことです。
最悪、職場放棄として「免職」になる恐れも
無断欠勤をし続けると、最悪の場合「免職」となり仕事を失う可能性があります。
免職にならずとも、減給や戒告、停職などのペナルティを受けることも考えられます。
このような処分が下ると、給与の減額だけでなく、勤勉手当の「成績率」が下がったり、昇級・昇進に影響したりもします。
無断欠勤に対する処分の目安が人事院から示されていますので、一度参照してみてください。
- 10日以内の間勤務を欠いた職員は、減給又は戒告
- 11日以上20日以内の間勤務を欠いた職員は、停職又は減給
- 21日以上の間勤務を欠いた職員は、免職又は停職
職場が本気で心配する
欠勤の処分も重要ですが、何よりも欠勤した職員がいると職場が混乱します。
連絡がなく、また連絡も付かないとなると、「何かあったのでは…」と本気で心配になります。
所属部署だけでなく、人事課なども巻き込んで何とか安否を確認しようとすることを考えられます。
自身が連絡できない状態であれば、家族や知人などから代理で連絡を取っても構いませんし、またはメールやLINEでも構いません。
まったくの”音信不通”での欠勤は避けるようにしましょう。
無断欠勤してしまったら
自身の意図したことでなくても、結果的に無断欠勤になってしまったら、早めに職場への連絡をするようにしましょう。
連絡があるだけで、職場の人間は安心します。

場合によっては、さかのぼって有休扱いにしてくれるかもしれません。
「メンタルを病んだかも」と思ったら精神科・心療内科の受診を考える

「メンタルを病んだかも」と思ったら、躊躇せずに病院に行くことを考えてください。
病気休暇や病気休職には医師の診断と診断書が必要です。
通院は精神科または心療内科のある病院がよいでしょう。
- 精神科
うつ・適応障害・不安障害・パニック・不眠・発達特性由来の業務適応の難しさなど、“こころの症状が主”のとき。
→休職・病休の診断書に慣れた医療機関が多いです。 - 心療内科
動悸・胃腸症状・めまい・頭痛・食欲不振など、ストレスが原因っぽい身体症状が主のとき。
→身体所見も見てもらいながらメンタルの治療ができます。うつ病も多く扱っています。
注意点として、これらの診療科を持つ病院は予約制であることがほとんどです。
Webまたは電話で予約を取ることから始めましょう。

病院によってはオンライン診療も可能で、自宅にいながら受診することができます。
診断書に入れてもらいたい要点
医師の診断書で重要なのは、「就労不可・自宅療養を要する」などの療養に関する指示と、「短時間勤務・業務量軽減」などの就労に関する指示の2点。
休職において大事になるのは療養に関する指示で、この場合は期間が明記されていることも必須です。
これらの内容が記載された診断書を提出して、初めて病休の許可が職場から下ります。
注意点としては、初診では診断書の発行に応じてもらえないケースも多く、受診したからといってすぐに病休に入れるわけではないということです。
まずは有休を使っていい
すぐに病休が取れないケースが多いことから、まずは有給休暇を使って職場から距離を置いてみましょう。
有休取得の理由を上司に素直に伝えておくと、その後の病休もスムーズに取得できます。
有休中に病院にかかり、診断書をもらうようにしましょう。

もちろん、この時点では「体調がすぐれないのでお休みさせてください」でもOKです。
病気休暇や病気休職を前提としなくても受診していい
メンタルの不調を感じたら、積極的に受診を検討してください。
「病気休暇などを取るほどではない」と思っていても、苦しい心の内を吐露できる場所を作るうえでも受診はおすすめです。
自分では大丈夫だと思っていても、何かしらの診断を受けることもあり得ます。
病気休暇や病気休職とまではいかなくても、配属先について意見を書いてくれることもあるでしょう。
今の状況に悩んでいるなら専門家に相談してみよう
多くの市役所職員が「今のままでいいのかな…」と悩んでいるのは事実です。
実際、退職者数は近年増えており、20代・30代の自治体職員(都道府県職員を除く)の退職者数は年間2万人を超えました。

もはや市役所職員の退職は珍しいものではなくなってきているのです。
また、中には退職まではいかずとも、今のキャリアに悩んでいる人が多いのも事実です。
「このまま定年まで働くイメージがわかない」
「自分の強みがわからない」
「今の仕事を辞めたとしても他に何がやりたいかわからない」
「そもそも辞める・辞めないの判断ができない」
こういう思いを抱いてモヤモヤしている方は、ぜひ専門家に相談してみましょう。
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病気休暇と病気休職の違いとは
メンタルの不調により仕事を休む際は、「病気休暇」と「病気休職」という異なる制度があります。
2つの制度の違いは次のとおりです。
| 項目 | 病気休暇 | 病気休職 |
|---|---|---|
| 期間 | 最長90日 | 通算最長3年 |
| 給与 | 全額支給(有給) | 1年は80%支給 2年目以降は3分の2 |
| 発動のしかた | 職員の申請+診断書で承認 | 任命権者の分限処分 (診断書・産業医意見等を踏まえ発令) |
| 必要書類 | 診断書(就労不可・期間明記) | 診断書、産業医意見、復職支援計画 など |
| 期間超過時の対応 | 病気休職へ | 免職の可能性 |

私が勤務していた市役所は多くの自治体と同じく上記のとおりでした。
一方で、例えば横浜市は病気休暇の期間が1年6か月あるなど、自治体によって制度は異なります。
ご自身が勤める自治体の制度を確認しておきましょうね!
まずは病気休暇を取得する
病気休暇は最長90日まで取得できますが、これは土日・祝日を含めての日数です。
つまり、実際は3か月弱となります。
90日以内に体調が戻らなかった場合は、引き続き「病気休職」の制度を利用することができます。

病気休暇は給与が保証されているため、生活への安心感がありますね。
短期の休暇で職場復帰できるに越したことはありませんので、まずは病気休暇の取得を優先しましょう。
療養を長期間取ったっていい

無理をして病気休暇の90日以内に職場復帰するのは決しておすすめできません。
責任感の強い人ほど無理をしてしまう傾向にありますが、そもそもメンタルの調子が悪くなったのも無理をしてしまったからです。
覚えておいてほしいのは「自分の体調が一番大事」ということ。
市役所には「休職」という、最長3年間仕事を離れることができる制度があります。
まずはしっかり自身の体調を整え、その後のことは体調が整った後に考えるようにしましょう。
職場を気にして短期の休職を繰り返さない
最も良くないのは、職場を気にして1か月や3か月などの短期の休職を取り続けることです。
「1か月後には仕事に行けるようにしないと」と過度なプレッシャーが常にかかり続けることになります。
主治医の意見を聞き、しっかりとまとまった期間休職することをおすすめします。
会計年度任用職員を雇用できるから職場は気にしなくていい
職場に休職者が出た場合、替わりの人員として会計年度任用職員を雇用します。
そのため、あなたが休職してしまっても大きな影響は出ないようになっています。
短期の休職を取り続けると、職場は「あと少しで戻ってきてくれる」と思い続け、結果的に会計年度任用職員を雇用しにくい状況になります。
ここはむしろ「職場のために長期で休職を取ってあげよう」くらいに思って長期療養をしても問題ないのです。
いわゆる「通算3年ルール」とは?
病気休職は通算で最長3年間取得できます。
これは休職と復職を繰り返しても、合計で3年間がリミットであることを言います。
- 1年半休職 (休職通算1年半)
- 復職後、再度1年休職 (休職通算2年半)
- 復職後、再度半年休職 (休職通算3年)
これ以上休職不可
復職後3年や5年など一定期間以上働いた場合や、別の病気が原因での休職などの場合は通算3年ルールの適用外になることもありますが、これは任命権者次第となります。
休職したときの給与は保証されている
病気休職しようにも、金銭面での不安があるのは事実ですね。
実は市役所の休職制度は非常に恵まれていて、全額ではないものの3年間は給与や手当で金銭面は保証されているのです。
具体的には次のようになっています。
| 期間 | 支給者・制度 | 支給率 |
|---|---|---|
| 0~12か月目(1年) | 所属自治体・条例または規則 | 給与・手当の80% |
| 13~30か月目(1年半) | 共済組合・法定給付 (傷病手当) | 過去1年の標準報酬月額平均の3分の2 |
| 31~36か月目(半年) | 共済組合・付加給付 (傷病手当) | 過去1年の標準報酬月額平均の3分の2 |
※事故や刑事事件関与による休職では内容が異なります。
療養して体調が戻ってきたら職場復帰を考え始めます。
その時は窓口部署より内部向けの部署がおすすめです。(もちろん体調を考慮した配置にしてくれるとは思います。)
以下の記事で、内部向けの部署に異動するのに適した資格を紹介しています。
療養中に資格取得を検討してみるといいかもしれません。
職場復帰訓練で苦しければ素直に伝えよう

病気休暇や病気休職は復職を前提とした制度です。
安心してほしいのは、復職後すぐに今までどおりの仕事をするわけではないということ。
職場復帰訓練を通して、少しずつ職場に戻っていくことになります。
職場復帰訓練とは
職場復帰訓練は主治医の復職所見や産業医の意見をベースに、職場復帰委員会等で決定した職場復職プランです。
人事部付けになり、週1回、半日程度の出勤からスタートするのが一般的です。
徐々に出勤日数を増やしていき、3~6か月ほどかけて完全復帰となります。
復帰後の配属先は配慮され、基本的に元の職場に戻ることはありません。
職場復帰訓練がうまくいかなくても問題ない
職場復帰訓練で焦る必要はありません。
訓練は自分のできる範囲で「慣れる」ことに注力してください。
訓練期間中は何度も人事部との面談があります。
面談の中で、苦しいことなど素直に伝えておくことをおすすめします。
職場復帰は立ち止まりながらでも構いませんし、場合によっては再度休職しても構わないのです。
Q&A
- 休職は自己申請ですか?
基本的に病気休暇は申請、病気休職は任命権者の分限処分です。
提出書類は後から指示がありますが、少なくとも医師の診断書は必要になります。
まずは病院を受診し、療養が必要か診断してもらいましょう。
- 役職の責任が重く、ストレスから体調を崩しそうです。
役職者でも休職は可能ですか? 役職者でも病気休暇・病気休職は問題なく可能です。
一方で、役職の重責がストレスの原因であれば「降格」という手段もあります。
降格希望について相談してみるのも良いでしょう。
- 復職時にいきなりのフルタイム勤務は不安です。
お試し出勤や時短勤務などの段階的復職をする復帰訓練を通して、ゆっくりとフルタイムに戻していきます。
自治体によっては医療機関型リワークの活用や、庁舎の比較的穏やかな部署に人事部付けのまま配属されることもあるはずです。
復帰訓練中の面談や主治医・産業医との面談の中で、訓練中の状態について素直に話をしておくと良いでしょう。
まとめ:無理をしないでしっかり療養することが大事
市役所はメンタルに不調を抱えやすい職場です。
一方で、市役所は体調を崩してしまってもしっかり療養を取れる体制が整っています。
まずは最長90日の病気休暇。
そのあとは最長3年の病気休職。
無理をし続けると反動が大きく来ます。
「メンタルを崩してしまったかも」と思ったら、まずは自分を一番に考えて病院に行くなり、有休を取るなりしてくださいね。
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