一度休職を取ると、「また体調を崩したらどうしよう…」と漠然とした不安を感じるものです。

ただ、必要以上に不安になる必要はありません。

基本的には2回目の休職もできると考えて問題ありません

多くの自治体では、2回目の休職も“起こり得る”ものとして制度が整えられています

それでも不安になるのは、「同じ理由(うつ等)でも休めるのか」「前回休んだ分はリセットされるのか」「もし通算されたら、残りはどれくらいなのか」といった点が見えないからではないでしょうか。

そこで今回は、「2回目の休職だからこそ出てくる不安」に焦点を当てて整理します。

また、休職の基本(病気休暇と病気休職の違い・初動)については別記事にしていますので、こちらも併せてご覧ください。

なお、ここでは一般的な期間をベースに記事を構成していますが、自治体により異なることも想定されます。

休職できる期間等の詳細は、所属する自治体で必ず確認してください。

休職は繰り返し取れるのか

仕事に悩む男性

「休職は何度もできるのか?」と気になる方も多いと思います。

これは、「繰り返し休職できる場合もある」というのが結論です。

というのも、「休職について回数の上限はないものの、ある一定の期間までしか休職を取得できない」旨を条例等で定めている自治体がほとんどだからです。

つまり、“一定の期間(通算上限)の範囲内であれば、結果として複数回休職を取得することも可能”ということになります。

もちろん、休職の目的は、しっかり療養して回復し、再び働ける状態に戻すことです。

ここは1回目でも2回目でも変わりません。

ただし、2回目以降は「通算」や「同一の傷病扱い」など、知っておいた方が安心できる条件が出てきます。

ここから順番に見ていきましょう。

2回目以降の休職特有の注意点:①取得期間(病気休暇と病気休職)

2回目以降の休職を考えるうえで、まず知っておきたいのが、「病気休暇」と「病気休職」の違いです。

それぞれ異なる制度になっていて、病気休暇は休暇制度(服務・休暇関係の規程)、病気休職は分限(身分)に関する制度として整理されることが多いです。

自治体によって細部は違いますが、イメージを掴むために一般的な形を表にすると次のようになります。

項目病気休暇病気休職
期間最長90日通算最長3年
給与の扱い全額支給(有給)1年は80%支給
2年目以降は3分の2
発動の方法職員の申請+診断書で承認任命権者の分限処分
(診断書・産業医意見等を踏まえ発令)
必要書類診断書(就労不可・期間明記)診断書、産業医意見、復職支援計画 など
期間超過時の対応病気休職へ免職の可能性

ここから先は、「病気休暇(90日)」と「病気休職(通算3年)」を分けて、それぞれ2回目以降に起こりやすい注意点を整理します。

2回目以降の病気休暇(90日)の注意点

カレンダーにスケジュールを書き込む男性

病気休暇は、一定期間(たとえば90日)まで給与が原則満額で支給される療養期間です。

2回目以降の取得で気を付けたいのは次のことです。

一定期間(半年や1年など)空いていれば再び利用できる

最後に病気休暇を利用してから一定の期間が空いているときは、改めて90日間の病気休暇を取得することができます。

一定の期間は自治体により異なりますが、復職後1年間という条件が多い気がします。

一定期間内に同一の傷病で利用する場合は、日数が通算される

多くの自治体では、病気休暇について「過去6か月・過去1年などの範囲で同一傷病の病気休暇を通算する」といった考え方が取られています

ここでポイントとなるのが、“一定の期間”内に“同一の傷病”で病気休暇を取得するか、です。

つまり、一定期間内に同じ傷病で再度病気休暇を取る場合、「前回の取得日数と合算して上限に達しないか」を確認する必要があるのです。

たとえば1回目で病気休暇を60日取っていれば、2回目に取れる病気休暇は最大30日相当になる、というイメージです。

すでに1回目で90日近く使っている場合は、2回目は病気休暇ではなく、状況によっては病気休職へ移る可能性もあります。

自治体が定める“一定の期間内”に“同一の傷病”で取得できる病気休暇の日数は、固定されていることが多いからです。

“一定の期間内”に再び“同一の傷病”で病気休暇を取得する場合は、「任命権者が別に定める日数以内」となっている自治体もあります。

合算される・されないも自治体次第ということですね。

2回目以降の病気休職(通算3年)の注意点

書類を見悩む男性

病気休職は、長期療養が必要な場合に任命権者の判断で発令される制度で、通算の上限が「最長3年」などと定められている自治体が多いです。

ここでの注意点は次のとおりです。

一定期間内(1年や2年など)の間に再度取得すると通算される

2回目以降に特に注意したいのは、復職後の一定期間内に再び病気休職を取得すると、以前に取得した病気休職期間と通算される可能性がある、という点です。

多くの自治体では、通算3年取得できる一方、通算することになる“一定期間”の取り扱いは自治体ごとに異なり、1年または2年が多い印象です。

休職の理由が違う場合でも、通算されるかは自治体次第

さらにややこしいのが、「病名が違う場合でも通算されるか」という点です。

自治体によっては、病名や原因が明確に別であれば通算しないところもあります。

一方で、一定期間内であれば理由を問わず通算に寄せる自治体や、精神疾患については症状や診断名が違っても同一扱いとする自治体もあります

2回目以降の病気休職については、通算になるか・ならないかも人事担当に確認するようにしてください。

2回目以降の休職特有の注意点:②給与・ボーナス(保障の観点)

給料とボーナスを眺める男性

2回目以降の休職では、給与やボーナスについても、通算などの影響で“受けられる期間”が変わることがあります

ここも「病気休暇」と「病気休職」ごとに確認していきましょう。

2回目以降の病気休暇:満額期間が短くなる可能性

病気休暇は原則として有給(満額支給)ですが、先ほどの通り、同一傷病扱いで日数が通算されると、2回目は病気休暇として取れる日数が短くなることがあります

その結果、給与が満額で保障される期間が、1回目より短くなる可能性が出てきます。

また、ボーナス(期末・勤勉手当)にも影響します。

一般に影響が出やすいのは勤勉手当です。

病気休暇によって勤務しない期間が長いと、勤務実績の評価に関わる計算上の扱いが変わり、結果として支給額が下がることがあります。

2回目以降の病気休職:自治体の保障と共済の保障

まずは病気休職中の保障について確認をしましょう。

病気休職では「自治体の給与保障」→「共済の法定給付」→「共済の付加給付」という形で、期間に応じて保障の主体が変わります。

よくある典型例を、分かりやすく表にすると次のようなイメージになります。

期間支給者・制度支給率
0~12か月目(1年)所属自治体・条例または規則給与・手当の80%
13~30か月目(1年半)共済組合・法定給付
(傷病手当)
過去1年の標準報酬月額平均の3分の2
31~36か月目(半年)共済組合・付加給付
(傷病手当)
過去1年の標準報酬月額平均の3分の2

2回目以降に特に注意したいのは、最初の自治体保障と、共済の法定給付です。

まず、自治体保障は、所属する自治体の通算の考え方に準じます。

そのため、病気休暇の時点で通算されている場合は、病気休職でも過去の取得状況と通算されると考えておきましょう

次に、共済組合が支給する法定給付ですが、こちらは“同一の傷病かどうか”に焦点が置かれており、一定の期間が経過したからといって、一概に新規の扱いになる記載がありません。(参考:地方職員共済組合

過去に法定給付を受けたことがある場合、同一傷病扱いで再度支給を受けると、2回目以降は「まるごと1年6か月」ではなく、残り期間になる可能性があります。

過去に2年の病気休職をしていたケース

仮に、過去に2年の病気休職をしていた場合を例に病気休職の保障を考えてみます。

もし1回目の休職で共済の傷病手当金をすでに一定期間受けていた場合は、2回目が同一傷病扱いになると、共済の傷病手当金は残り期間だけになる可能性があります。

所属自治体の保障
(最長1年)
共済組合・法定給付
(最長1年半)
共済組合・付加給付
(最長半年)
1回目の休職(2年)1年間受けられる1年受けられる
2回目以降に取得できる保障受けられない半年受けられる半年受けられる

なお、休職中に退職する場合の手続き・お金の話はこちらで解説しています。

無理をすることで再発の可能性も

ここまで、制度上の注意点を確認してきましたが、結局いちばん大事なのは「体調を整える」ことです。

2回目以降の休職ともなると、職場に切り出しにくい気持ちはよくわかります。

しかし無理して働くのではなく、働ける体調に戻すことが休職制度の根幹です。

復職直後に無理して再発した同僚も

長く休んでいると、「職場に迷惑をかけている」「職場に自分の居場所がなくなりそう」などと不安になりがちです。

また、金銭面での不安があるのも事実です。

しかし、無理をして復帰するのは避けた方がいい、というのが私の素直な想いです。

私自身、「無理して復帰したのでは」と感じた方が、その後に再発し、結果として退職を選ぶことになった例も見てきました

休職は繰り返し取得し得る制度ではありますが、まずは「治す」ことを最優先にしていいと思います。

休職を繰り返すデメリット

休職のデメリット

少し厳しい内容にはなりますが、休職を繰り返すことで不利になり得るのも事実です。

制度上の保障が満額ではなくなる可能性や、給与やボーナスが満額支給されないケースがあるだけでなく、評価やキャリア面で影響が出ることもあります

昇級が遅れる・昇級しない

通常、毎年一定程度昇級していく自治体の給与制度ですが、自治体によっては欠勤等の日数が多い場合に昇給幅を制限したり、昇給を見送ったりすることがあります

休職が長期化・繰り返しになると勤務実績が薄くなり、人事評価の材料が少なくなるため、結果として昇給が遅れる可能性があります。

昇進に影響する可能性

昇進については、休職したから即座に昇進できない、という話ではありません。

ただ、昇進の判断材料には勤務実績や評価が絡むことが多く、長期の休職や繰り返しの休職で評価材料が不足すると、結果として昇進が遅れる可能性はあります。

評価材料が少ない結果、昇進が遅れる可能性もあることは意識しておいていいかもしれません。

今の状況に悩んでいるなら専門家に相談してみよう

多くの市役所職員が「今のままでいいのかな…」と悩んでいるのは事実です。

実際、退職者数は近年増えており、20代・30代の自治体職員(都道府県職員を除く)の退職者数は年間2万人を超えました

過去10年間の自治体公務員の普通退職者数のグラフ
総務省「地方公務員の退職状況等調査」から抽出・計算

もはや市役所職員の退職は珍しいものではなくなってきているのです。

また、中には退職まではいかずとも、今のキャリアに悩んでいる人が多いのも事実です。

「このまま定年まで働くイメージがわかない」
「自分の強みがわからない」
「今の仕事を辞めたとしても他に何がやりたいかわからない」
「そもそも辞める・辞めないの判断ができない」

こういう思いを抱いてモヤモヤしている方は、ぜひ専門家に相談してみましょう。

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Q&A

Q&Aを開いて確認する
同じ理由(うつ等)でも、2回目の病気休職は取れますか?

多くの自治体では「2回目だから不可」とはなりません。

回数ではなく、現時点で職務に就けない状態かどうかで判断することになります。

ただし、復職後の一定期間内に再度休職すると、前回の休職期間と通算して扱われることがあるため、通算の扱いを先に確認するのが安心です。

復職から何年空いていれば、通算されず“新規”扱いになりやすいですか?

よくあるのは「復職後1年以内は通算になりやすい」というものですが、自治体によっては6か月や2年などの例もあります。

ここは各自治体で異なる部分です。

自身の所属する自治体の人事担当に確認してみてください。

病名が違えば(うつ→適応障害など)、通算されないですか?

病名が違えば必ず別扱い、とは限りません。

自治体によっては、原因や症状の関連性が強い場合に同一傷病扱いとするところもあります。

特に精神疾患は「同一扱い」の範囲が広めに適用されることもあるため、病名だけで判断しない方が安全です。

2回目の休職で、人事に確認すべきことは何ですか?

最優先は通算と起算日の確認です。

具体的には「復職後◯年以内が通算条件になるか」「同一傷病の定義」「休職期間の上限」「自治体の80%支給の起算日」「共済の傷病手当金の残りの考え方」を確認すると、見通しが立てやすくなります。

休職が通算3年(上限)に達したら、どうなりますか?

多くの自治体では、病気休職に「通算で最長3年」などの上限が定められており、上限に近づくほど「復職できる見込みがあるか」が重要になります。

まず、復職が可能と判断されれば、配置配慮や段階的な復帰を含めて復職に向けた手続きが進みます。

一方で、回復が不十分で復職が難しいと判断される場合は、任命権者が医師の診断や産業医意見等を踏まえ、身分上の措置(分限)を含む判断に進む可能性があります。

「必ず免職」とは言い切れませんが、通算上限に達すると、次の判断を迫られやすいのは事実です。

まとめ:必要なら無理せずに2回目の休職を

2回目以降の休職は、制度上“取得できる”自治体が多い一方で、過去の休職期間との通算で考える必要が出てきます

直近の休職からどれくらい期間が空いているか、休職に至る原因は同一傷病か、などにより、通算の考え方も変わってきます。

場合によっては、2回目以降の休職保障が薄くなる可能性があることは理解しておいてください。

とはいえ、大事なのはあなた自身の体調です。

「一度休職をしたから」と無理をするのではなく、必要ならしっかりと2回目以降の休職を考えてくださいね。

今回は一般的な期間をベースに記事化しましたが、休職は自治体により異なるケースが多い制度です。

休職期間と保障については、所属する自治体に確認してみるようにしてください。

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